2月米新車販売は2.4%減、金利上昇でローン返済額増加も逆風に

米自動車販売は2月も低調となり、昨年来からの低迷が長期化しています。2月は利益率の高いピックアップトラックも予想外の不振となったことで、業績への影響が懸念されています。自動車ローン残高が過去最大を更新する中で、金利や価格が上昇し、返済額が増えていることも販売への逆風となっているようです。

ピックアップトラックが予想外の不振、業績への悪影響を警戒

2月米新車販売台数は前年同月比2.4%減の130万台、年率換算では1708万台となり、2カ月ぶりに減少しています。

買い替え需要が一巡して、市場が飽和状態にあることに加え、自動車ローン金利の上昇、中古車販売価格の下落などが新車販売にマイナスとなっているようです。

2月は乗用車が引き続き低調だったほか、これまで好調だったピックアップトラックが予想外の不振に見舞われています。ピックアップトラックは収益率が高いことから自動車メーカーの業績への悪影響も警戒されています。

予想外の落ち込みとなったピックアップトラックに関しては、モデルチェンジを見据えた買い控えとの見方がある一方で、人気そのものが転換期にあるとの見方もあり、楽観と悲観が入り混じっているようです。

米新車販売は2017年に8年ぶりのマイナスとなりましたが、2018年に入っても調整が続いており、1-2月の累計では前年比0.8%減となっています。

2018年の新車販売台数は1670万台から1690万台と予想されていおり、2017年の1723万台からの減少が見込まれています。

自動車ローンが過去最大に、金利や価格も上昇

自動車ローン残高が過去最大に膨らんでいる中、金利やローン金額が上昇していることが低調な販売の背景にあるようです。

2017年10-12月期の自動車ローン残高は前年比5.3%増の1兆1290億ドルとなり、過去最大を更新しています。

ただし、伸び率は2015年の11.5%、2016年の8.6%から鈍化しており、買い疲れ感もうかがえます。

新車販売の85%、中古車販売の54%がローンを利用しており、これらの数字は前年から変化がありません。

ただし、新車のローン金額は31,099ドル、中古車だと19,589ドルとなり、新車は509ドル、中古車は317ドル、それぞれローン金額が増えています。また、新規ローンの返済期間は69.1カ月と前年から0.5カ月長期化しています。加えて、新車のローン金利は平均で5.11%と前年比0.37%ポイント上昇しています。

ローン金利の上昇とローン金額の増加を受けて、新規ローンの毎月の支払い額は平均で515ドルと前年から8ドル増加しています。

このように、ローン期間を延ばしても金利や金額の上昇で毎月の支払い額が増えていますので、これらが自動車販売の逆風になっているようです。

【2月米雇用統計結果】賃金鈍化と雇用拡大でリスクオン、株価は急騰

2月の米雇用統計の結果は、雇用者数の伸びが予想を大きく上回り、ポジティブ・サプライズとなりました。警戒されていた賃金の伸びも鈍化し、利上げ観測が後退したことも手伝って、雇用統計発表後に株価が急騰しています。 “【2月米雇用統計結果】賃金鈍化と雇用拡大でリスクオン、株価は急騰” の続きを読む

【直前リポート】2月米雇用統計、賃金を含め全体的に下振れリスクを警戒

1月の雇用統計では賃金が予想以上の伸びとなり、株価の急落を招きました。2月は賃金の伸び鈍化など、先月とは逆方向のサプライズが起こる可能性があり、全般的に 下振れに対する警戒感を強めたほうがよさそうです。

雇用者数、賃金ともに下振れを警戒

1月の米雇用統計では雇用者数が前月比20.0万人増、失業率は4.1%、賃金が前年比2.9%上昇となり、事前予想を上回る内容となりました。

特に、賃金の伸びが予想以上に上昇したことから、利上げ観測が強まり、その影響で株価が急落しています。

2月の事前予想は雇用者数が20.5万人増、失業率は4.0%、賃金の伸びは2.8%が見込まれています。

類似の統計である2月のADPが23.5万人増だったこともあり、やや強気の内容となっていますが、雇用者数が増勢を維持できない恐れもあり、警戒が必要かもしれません。

求人数が減少、人材確保困難で雇用拡大に黄信号

雇用者数は10月の27.1万人増から11月は21.6万人増、12月は16.0万人増へと増勢を鈍化させてきましたが、1月は20.0万人増と回復しています。

ただし、求人数や採用数が減少傾向にあり、増勢を維持するのは徐々に難しくなっていることを匂わせています。

12月の求人数は581.1万件と前月から16.7万件減少しました。11月分が上方修正されたことから、減少は2カ月ぶりとなりますが、昨年9月の617.7万件をピークに減少傾向が続いており、求人率は9月の4.0%から12月は3.8%へと低下してます。

また、12月の採用数は548.8万件と前月から0.5万件の微減となり、減少は2カ月連続となっています。

求人数や採用数の減少は、適当な人材を確保することが難しくなったことを示唆しており、供給の制約から雇用の改善にストップがかかる恐れがありそうです。

就業者数は伸び悩み、失業者数は増加

失業率の算定に利用される家計調査ではさえない数字が並んでいます。

就業者数を見ると、1月は9.1万人増加(人口調整後)しているものの、水準は昨年9月とほぼ同じとなり、伸び悩んでいます。

また、1月は失業者が9.3万人増加(人口調整後)しており、失業者数は昨年10月をボトムに増加傾向となっています。

失業率は10月から1月まで4カ月連続で4.1%、労働参加率も同じく4カ月連続で62.7%となっており、ともに改善が足踏みしています。

こうした状況を踏まえると、失業率のさらなる改善を期待するはやや楽観的なのかもしれません。また、パートタイムが増えている点も気がかりといえます。

単位労働コストの伸び鈍化、実質賃金は低下

物価の目安として注目されている単位単位労働コストを見ると、2017年は0.4%上昇と2014年の1.9%上昇から3年連続で低下しています。相対的に生産性の伸びに対して賃金が伸びていないことを示しています。

また、時間当たりの実質賃金を見ると、2017年は0.5%低下と昨年の0.2%低下に続き、2年連続で低下しており、昨年より下げ幅を拡大しています。名目賃金は上昇しているとしても、賃金の伸びが物価の伸びに追いついてないことを示唆しています。

1月の雇用統計では時間当たり賃金は前月比0.3%上昇、前年同月比2.9%上昇となり、事前予想を上回る伸びとなりました。2月は前月比0.2%上昇、前年同月比2.8%上昇が見込まれています。落ち着いた数字が予想されてはいますが、賃金の伸びが予想以上に鈍化する恐れもあり、1月とは逆方向のサプライズが起こるリスクには警戒が必要かもしれません。

パウエル・プットは期待薄?議会証言で「利上げが最善」

パウエル新議長が就任後最初の議会証言に臨み、12月以降、景気見通しが強まっていることから「さらなる利上げが最善」との考えを示しました。利上げペースは年4回へと加速した模様で、3月FOMCでのドット・チャートへの注目度が高まっています。また、金融市場の混乱に対して「懸念してはいない」と述べたことで、パウエル・プットへの期待は後退したようです。 “パウエル・プットは期待薄?議会証言で「利上げが最善」” の続きを読む

米家計債務残高が過去最大を更新、カード遅延率上昇が消費を抑制も

2017年10-12月期の米家計の債務残高が過去最大を更新し、金融危機時のピークを上回っています。債務膨張にともなって、自動車ローンやカードローンでの遅延率が上昇しており、個人消費の先行きに暗い影を落としています。

米家計債務が過去最大更新、新規は伸び悩む

2017年12月末の米家計の債務残高は13.15.兆ドルと9月末から1930億ドル増加しました。増加は14四半期連続で、前回のピーク2008年7-9月期の12.68兆ドルを4730億ドル上回り、過去最大を4四半期連続で更新しました。ボトムとなった2013年4-6月期からは17.9%増加しています。

項目別にみると、住宅関連では12月末の住宅ローンが8.88兆ドルと前期から1390増加と最も大きく増えています。ただ、ホームエクイティは4440億ドルと前期から40億ドル減少しています。

住宅以外の債務は前期比580億ドル増加となり、6年連続で増え続けています。自動車ローンが80億ドル、クレジットカードが260億ドル、学生ローンが210億ドル、それぞれ増加しています。

ただ、新規での借り入れは伸び悩みとなりました。借り換えを含む新規の住宅ローンは4520億ドルと前期の4790億ドルから減少、新規自動車ローンも1370億ドルと前期からわずかに減少しています。ただ、2017年通年での自動車ローンは過去最大となっています。また、クレジットカードは20四半期連続で拡大しています。

住宅ローンのクレジットスコアの中央値は755と前期の760から低下しましたが、自動車ローンは707と705から上昇しています。

12月末現在のローン遅延率は全体で4.7%とやや改善しています。遅延額は6190億ドルでそのうち4060億ドルが深刻な遅延(90日以上の遅延)となっています。深刻な遅延は2012年以降、緩やかな増加傾向にありますが、昨年はやや大きく増加しています。

深刻な遅延率は全体では3.12%と前期の3.19%から若干低下しています。これは、住宅ローンで13.8%から1.27%へ、学資ローンで11.17%から10.96%へとそれぞれ低下したことが影響しています。

ただし、自動車ローンは3.97%から4.05%へ、クレジットカードでは7.47%から7.55%へとそれぞれ深刻な遅延率が上昇しており、楽観視できる状況にはないようです。

家計債務の項目別の内訳は、住宅ローン68%、エクイティローン3%、自動車ローン9%、クレジットカード6%、学費ローン10%、その他3%となっています。

カードローンや自動車ローンの遅延率上昇が個人消費を抑制か

信用の拡大は景気拡大の原動力であり、好景気の裏返しでもあるわけですが、家計の債務残高が過去最大を更新する中、クレジットカードや自動車ローンでの遅延率が上昇していることで、個人消費の先行きに対する不安が広がっているようです。

米自動車市場では、2017年の新車販売台数が前年比1.8%減と8年ぶりの減少となったほか、2月に入っても前年同月比2.4%と苦戦が続いていており、自動車ローンの遅延率上昇が響いているようです。

また、1月の実質個人消費は前月比0.1%減と1年ぶりにマイナスとなっています。1月は減税効果もあり、所得が大きく伸びましたが、貯蓄率が12月の2.5%から3.2%へと急上昇となり、所得の伸びが貯蓄に回っています。

インフレ圧力が高まっていることもありますが、クレジットカードの遅延率も上昇していていることから、債務の返済が家計を圧迫し、消費を抑制している様子も見え隠れしています。

トランプ大統領が“相互税”導入を示唆~貿易赤字縮小に本腰、円高リスクも

トランプ政権が保護主義的な貿易政策の動きを加速させています。1月にセーフガードを発動したのに続き、2月には鉄鋼やアルミに対する関税を示唆、また輸入品に対する“相互税”の導入を検討するといった具合です。狙いは貿易赤字の縮小にあり、ドル安志向を強めていることから、円高リスクが高まっているようです。 “トランプ大統領が“相互税”導入を示唆~貿易赤字縮小に本腰、円高リスクも” の続きを読む

米財政赤字は7年ぶりの高水準へ、金利上昇で株価を圧迫も

減税法案が成立したこともあり、米財政赤字への懸念が急速に広まっています。2019年度の財政赤字の対GDP比率は7年ぶり高水準となる見通しで、米国債の格下げも意識され始めています。また、楽観的な成長見通しや金利見通しに加え、FRBによるBS縮小も需給悪化要因として警戒されており、米金利上昇による株価圧迫への懸念も強まっている模様です。 “米財政赤字は7年ぶりの高水準へ、金利上昇で株価を圧迫も” の続きを読む

1月米小売売上高は予想外の減少、低賃金が影響か

1月の米小売売上高は約1年ぶりとなる大幅な落ち込みとなり、想定外の結果となりました。背景には実質賃金の低下があるようです。減税法案の成立で成長の加速が期待されましたが、加速どころが失速を警戒する局面を迎えている恐れがあります。 “1月米小売売上高は予想外の減少、低賃金が影響か” の続きを読む