2月の米雇用統計の結果は、雇用者数の伸びが予想を大きく上回り、ポジティブ・サプライズとなりました。警戒されていた賃金の伸びも鈍化し、利上げ観測が後退したことも手伝って、雇用統計発表後に株価が急騰しています。
家計調査では100万人を超える雇用を創出
2月の米雇用統計の結果は、雇用者数の大幅増加と賃金の伸び鈍化という株式市場にとってもは最も好ましい組み合わせとなり、主要な株価指数は軒並み急上昇となりました。
2月の雇用者数は前月比31.3万人増加し、2016年7月以来、1年7カ月ぶりの大幅な伸びとなり、事前予想の20万人増加も大きく上回りました。
業種別では建設業が6.1万人増と、2007年3月以来、11年ぶりの大幅となりました。2月は米北東部などで季節外れな暖かい気候となったことが影響したようです。また、小売業も5万人増と好調となったほか、金融が2.8万人増と、2005年10月以降で最も大幅の伸びを記録しました。
失業率の算定に利用される家計調査ではにわかには信じがたい数字が出ています。
2月の就業者数は前月比で78.5万人増加と、事業者調査では雇用者数の2倍以上の伸びとなりました。さらに、フルタイムの就業者数が72.9万人増、パートタイムが27.7万人増となり、合計で100.6万人の雇用が創出された計算となります。
このように、驚異的な雇用の伸びがポジティブ・サプライズとなり、株式市場では主要株価指数が軒並み大幅高となりました。
週労働時間上昇で時間当たり賃金が正常化
1月の雇用統計では、時間当たり賃金の予想外の伸びがネガティブ・サプライズとなり、株価の急落を招きましたが、2月の時間当たり賃金は前月比0.1%上昇、前年同月比2.6%上昇と落ち着いた数字となり、一転してポジティブ・サプライスとなりました。
賃金の伸びの不規則な動きは天候要因による週労働時間の変化の影響を受けていたようです。
1月の週労働時間の速報値は34.3時間と前月比で0.2時間減少していましたが、これには1月に米北東部を中心に記録的な寒波が襲ったことが影響した模様です。
改定値では34.4時間と0.1時間増え、1月の時間当たり賃金も速報値の前年同月比2.9%上昇から2.8%上昇へと下方修正されました。
2月の週労働時間は34.5時間と12月のレベルを回復し、時間当たり賃金も前年比2.6%と12月の2.7%とほぼ並びました。
つまるところ、1月の賃金上昇は労働時間が短縮されたことが背景にあり、2月は労働時間が元に戻ったことでトレンドへと回帰したといえそうです。
雇用と雇用以外の統計の整合性を確認へ
1月の経済統計では住宅販売や個人消費は予想外に弱い数字となりました。したがって、2月の雇用統計で建設業や小売業が好調だったことにはやや違和感があることは否めないでしょう。
2月の経済指標で住宅市場や個人消費が回復に向かうようですと、雇用統計とも整合的となり、米景気の力強い拡大が確認されることになります。
一方、雇用以外の数字でさえない数字が並ぶようですと、低調な賃金の伸びへと警戒感がシフトし、景気の先行きに対しても不安が広がる恐れがあるかもしれません。
