パウエル新議長が就任後最初の議会証言に臨み、12月以降、景気見通しが強まっていることから「さらなる利上げが最善」との考えを示しました。利上げペースは年4回へと加速した模様で、3月FOMCでのドット・チャートへの注目度が高まっています。また、金融市場の混乱に対して「懸念してはいない」と述べたことで、パウエル・プットへの期待は後退したようです。
「経済は力強く、利上げが最善」
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は、2月27日に下院の金融サービス委員会、3月1日に上院の銀行委員会にて、それぞれ初めての議会証言を行いました。
証言では、雇用の拡大や失業率の低下を背景に「物価は上昇するとの確信を深めている」と述べ、年内の2%の物価目標達成に自信を見せています。
また、金融市場は「引き続き緩和的だ」とし、「さらなる利上げが最善の策」との考えを示しています。
12月FOMCでの経済見通しでは、2018年内に3回の利上げが見込まれていました。年3回以上の利上げの可能性を問われたパウエル議長は、「12月以降、景気見通しが強まった」と応えたことで、年4回の利上げ観測が急速に広まり、株価急落の一因となったようです。
次回FOMCは3月20日、21日に予定されています。フェドウォッチによると、3月会合での利上げ確率は90%前後となっており、利上げは確実な情勢です。注目はドット・チャートとなり、年内4回目の利上げが見込まれるのかどうかがポイントとなりそうです。
パウエル・プットへの期待は後退、「我々の仕事ではない」
パウエル議長は2月5日に就任したばかりですが、就任初日の株式市場はいきなり過去最大の下げ幅を記録、金融市場が大きく動揺しました。
歴代のFRB議長は株式市場に細心の注意を払っており、グリーンスパン・プット、バーナンキ・プットなどと呼ばれてきました。
しかし、最近の株価急落に対して「懸念してはいない」とこれまでの議長のイメージからするとやや意外な姿勢をうかがわせています。
下院では、「一部資産価格は高まっているが、家計にはレバレッジは蓄積していない。また銀行・金融システムの耐性は高まっている。このため金融安定性へのリスクはわずかだ」と説明。
上院では、「株価は下がるより上がる方がいいのでは」との質問に対し、「その通り。けれども株式市場で誰かが損するのを止めたり、誰かが得するようにしたりするのは、我々の仕事ではない」と、取り付く島もない姿勢を示しています。
最近の金融市場の混乱に際し、パウエル・プットを期待する声もありましたが、議会証言での発言を見る限りでは、期待は大きく後退せざるを得なかったようです。
