モラー特別検察官がトランプ氏の資金の流れの解明へと動き出しました。トランプ氏とロシアマネーについては疑問な点も多く、政権の新たな火種として注目が集まりそうです。
ドイツ銀行へ取引記録の提出を求める
ロシア疑惑を捜査中のモラー特別検察官がドイツ銀行に対しトランプ氏との取引記録を提出するよう要求していることが明らかとなりました。
かねてから不可解な資金の流れが指摘され、ロシア疑惑の“本丸”ともささやかれていたトランプ氏の資金の流れにいよいよメスが入ろうとしています。
ドイツ銀行に対しては、これまでも民主党議員が取引記録の提出を求めていましたが、守秘義務を理由に銀行側が拒否してきました。
トランプ氏とロシアの不可解な資金の流れを解明へ
トランプ氏とドイツ銀行の取引が始まったのは1998年と考えられています。自己破産を繰り返して米銀からの融資が事実上不可能となり、資金難に陥っていたトランプ氏を助けたのがロシア富豪であり、その仲介手続きをしていたのがドイツ銀行とみられています。
以降、「トランプ・ワールド・タワー」や「トランプ・インターナショナル・ホテル」など数々の大型物件での巨額融資をドイツ銀行が引き受けています。
そのドイツ銀行は今年1月にロシア富豪のマネーロンダリングを手助けした疑いで、ニューヨーク州に4億2500万ドルを支払っています。また、6月には米連邦準備制度理事会(FRB)に同じくマネーロンダリングへの対策が不十分として4100万ドルの支払いを命じられています。
ロシア疑惑の捜査は2016年の米大統領選挙でロシアとトランプ陣営が共謀していたのかどうかを調べていますが、そもそも破産して「世界一貧乏」と呼ばれていたトランプ氏がどうして復活できたのか、その疑問は共和党の候補者を争う以前から付きまとっていました。
その後、ドイツ銀行からの巨額融資とロシア富豪との親密な仲が明らかになるにつれて、トランプ一族とロシアとのビジネスが合法であったのかどうかに疑いの目が向けられるまでにそれほどの時間は必要ありませんでした。
マネーロンダリングに不動産を利用することは鉄板であることを踏まえると、ロシア危機で資産を海外に移したかったロシア富豪にとって資金繰りが悪化した元不動産王は格好のパートナーに映ったとしても不思議はないからです。
捜査の手はついに大統領本人へ、大きな転換点となる可能性も
モラー特別検察官は、10月末にマナフォート元選対委員長と外交顧問を務めていたパパドプロス氏を起訴。さらに、今月1日には大統領側近であったフリン元大統領補佐官を起訴していますが、いずれも大統領本人は直接的な捜査対象ではありませんでした。
ドイツ銀行との取引記録を調べても、ロシアとの共謀につながるとは考えづらいのですが、マナフォート氏やフリン氏の起訴も大統領選挙とは一切関係がありませんでした。
こうした経緯を踏まえると、今回の報道はトランプ大統領が標的となっている点で、ロシア疑惑の捜査が大きな転換的を迎えていることを匂わせています。
