金融市場が混乱する中、注目があつまりつつある金(ゴールド)ですが、専門家の見通しはかなり慎重なスタンスとなっています。平均的な水準でみるとあまり大きな期待はできそうにありませんが、株価が本格的な弱気相場に突入した場合には、瞬間風速であれば大きなインパクトを残す可能性がありそうです。
2018年の金価格、ほぼ横ばいと慎重な見方
ロンドン貴金属市場協会(LBMA)は1月30日、専門家による2018年の金価格見通しを公表しました。今回は24名の金の専門家が予想しています。
まず最初に2017年の結果を確認すると、予想の1トロイオンス=1244ドルに対し実際は1257ドルとほぼドンピシャリとなりました。
2018年の平均価格は1318ドルと1月前半の平均価格となる1320ドルとほぼ同じとなっています。2017年の1月前半の平均価格が1181ドルで予想が1244ドルでしたので、昨年に比べるとかなり慎重な予想となっている様子が伺えます。
高安のレンジを見ると、最高値は1510ドル、最安値は1150ドルとなっています。高値の平均は1418ドル、安値は1218ドルとなっていますので、2018年はおおむね1200ドルから1400ドルのレンジを推移し、平均してみると1300ドルになると予想されているようです。
2月12日現在、金価格は1322.3ドルとほぼ今年の予想平均に位置していますので、平均でみると今年はもう上昇余地が限られていることを示唆しています。
金融市場混乱なら一時的には急上昇も
ただし、高値の予想では24名中19名が1400ドル以上を見込んでいますので、一時的には大きく上昇する可能性も残されているようです。
強材料としては、金融市場の混乱や地政学的リスクが指摘されています。債券、株式ともにバリュエーションが高く、買われ過ぎている恐れがあることから、金利の上昇と株価の調整はいつ起こっても不思議ではないようです。また、米中間での貿易摩擦が深刻化しているほか、イスラエルの首都問題で中東での政治的な緊張感も高まっていますので、政治リスクもくすぶり続けている模様です。
米利上げと好調な世界経済が向かい風に
安値の予想をみると、24名中6名が1200ドル以下までの調整を想定しており、下振れリスクには十分な警戒が必要となりそうです。ただし、平均価格が昨年を下回るとの予想は2名と少なく、上昇トレンドは維持されるとの見方が優勢です。
弱材料としては、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げや世界的な好景気が挙げられています。金利を生まない金は金利の上昇に弱く、インフレ懸念の台頭などで金利が大きく上昇した場合にはまとまった売りが出る恐れもありそうです。
また、世界的な好景気も金には逆風と見られています。国際通貨基金(IMF)が1月22日に公表した世界経済見通しによると、2018年の世界経済の成長率は3.9%と2017年の3.7%から成長を加速させる見通しです。好景気は投資家にリスクオンを促すと考えられていますので、安全資産としてしられる金への関心が薄れる心配があるわけです。
