2月米個人消費は減速を確認、GDP失速に現実味

個人消費のさえない動きが改めて確認され、GDPの失速が現実味を帯びてきました。膨張する家計債務や消費者センチメントの悪化、インフレ率の上昇などが警戒されています。

2月の米個人消費は実質で横ばい、貯蓄率は2カ月連続で上昇

2月の米個人消費は前月比0.2%増と1月の0.2%増に続いて低調な伸びとなり、今年に入り個人消費が失速していることが改めて確認されました。

ただ、個人所得は0.4%増と3カ月連続での0.4%増となり、所得環境は良好であることも同時に確認されています。昨年末に成立した減税法案が所得の増加に結びついているようです。

とはいえ、増えた所得は貯蓄に回されており、2月の貯蓄率は3.4%と前月から0.2%ポイント上昇、12月の2.4%から跳ね上がっています。

米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としているPCE価格指数は前月比0.2%上昇と1月の0.4%上昇が伸びが鈍化しました。また、変動の激しい食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.2%上昇とこちらも1月の0.3%上昇から低下しています。

ただし、前年同月比ではPCE価格指数は1.8%上昇と前月の1.7%から0.1%ポイント上昇、またコアPCEも1.6%上昇となり、こちらも1月から0.1%ポイント上昇しています。基調的なインフレ率はジリジリと上昇しています。

1-3月期のGDP失速に現実味

個人消費の減速を受けて、GDPの失速が警戒されています。

10-12月期の個人消費は前期比年率4.0%増と高い伸びを示し、2.9%増となったGDPの伸びをけん引しました。

所得を上回る消費を続けた結果、貯蓄率が低下していたことを踏まえると、最近の動きは“使い過ぎ”による一時的な減速と考えることもできます。

ただし、家計債務の増加と消費者センチメントの悪化、インフレ率の上昇は気がかりです。

10-12月期の米家計の債務残高は既にリーマンショック前の水準を越えて過去最大に膨らんでいます。並行して、自動車ローンやカードローンの支払い遅延率が上昇傾向にあり、借金が膨らみ過ぎて家計が火の車となっていることを示唆しています。

こうした傾向が沈静化するまでは、消費の低迷が続くのかもしれません。

また、3月の米消費者信頼感指数は127.7と事前予想の131に反して2月の130.0から低下しています。現況指数、期待指数ともに低下した中で、購買計画も弱含みとなっていることから、3月の個人消費にも黄信号が点滅しているようです。

消費者センチメントは株高に支えられてきたことも否めませんので、株価の下落が影響しているのかもしれません。

また、インフレ率は水準こそ低いものの、じりじりと上昇しており、家計の購買力を奪っていることも消費低迷の一因となっているようです。

3月の実質個人消費が前月比横ばいで推移した場合、1-3月期の個人消費の伸びは前期比年率で1%以下となることが見込まれます。

単なる使いすぎによる一時的な減速にとどまるにかどうか、家計債務や遅延率の動き、消費者センチメント、インフレ動向などに注意しつつ、3月の経済指標での個人消費の持ち直しの確認が待たれるところです。