9月の米雇用統計ではハリケーンの影響により雇用者数の伸びが鈍化しましたが、失業率が49年ぶりの低水準に改善するなど労働市場は堅調さを維持していることが示唆されました。労働参加率に改善が見られなかったほか、賃金も伸び悩みとなりましたが、全般的な動きは12月FOMCでの追加利上げを後押しする内容となったようです。
雇用者数は13.4万人増、失業率は3.7%
9月の米雇用者数は前月比13.4万人増加と事前予想の18.5万人を下回りました。ただし、過去2カ月分は合計で8.7万人分上方修正されたこともあり、3カ月平均では19.0万増加と20万人近い増勢を維持しています。
9月は米南東部を襲ったハリケーン「フローレンス」の影響で「天候要因で就業不能となった」人の数が29.9万人と9月の平均値(8.5万人)を大きく上回ったことも雇用者数の伸びの鈍化につながったもようです。
9月の失業率は3.7%と前月の3.9%から0.2%ポイント低下し、事前予想の3.8%を下回る改善となりました。失業率は1969年12月の3.5%以来、49年ぶりの低水準となっており、労働市場がひっ迫している様子がうかがえます。
ただ、広義の失業率は7.5%と前月の7.4%から0.1%ポイント上昇しています。また、労働参加率は62.7%と前月から横ばいとなり、プライムエイジ(25歳~54歳)に限ると労働参加率は81.8%と2カ月連続で低下しています。
全般的にみると堅調な動きとなってはいるものの、中にはちぐはぐな動きもみられており、一部で雇用のミスマッチが起きている可能性がありそうです。
賃金の伸びは足踏みも12月の利上げ見通しに変更なし
9月の時間当たり賃金は前年同月比2.8%増と前月の2.9%から伸びが鈍化しています。3.0%の節目を前に足踏みとなっていますが、ハリケーンの影響で統計で歪めらた可能性も排除できませんので、10月以降の数字での確認が待たれます。
8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%上昇と7月の2.9%から低下し、賃金の伸びを下回っていますので、家計の購買力は維持されているもようです。
ただ、FRBが重視する8月のPCE価格指数は前年同月比2.2%上昇と目標となる2.0%を超えており、基調的な動きを示すコア指数も2.0%と目標近辺にあります。
FRBは景気が過熱することを未然に防ぐため、予防的な利上げを実施していますが、最近の物価の動きは利上げ継続を支持しています。さらに、9月の雇用統計で労働市場の堅調さが示唆されたことは12月FOMCでの追加利上げを後押しするとみられています。
