【6月米雇用統計結果】雇用者数480万人増、失業率11.1%

6月の雇用統計では雇用者数が480万人増加し、失業率は11.1%へと低下した。いずれも市場予想を上回る改善となり、景気のV回復への期待が高まっている。ただし、失業者への特別手当が7月末で終了となることで、実体経済の悪化が雇用改善の足かせとなる可能性もある。また、南部や西部を中心に新型コロナへの新規感染者数が増加していることも先行きに暗い影を落としている。

6月は480万人増、2月を1470万人下回る

6月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は前月比480万人増と、5月の270万人増に続き、2カ月連続で大幅増となり、市場予想の290万人増も大きく上回った。

3月と4月は合計で2220万人減少していたが、経済活動の再開に伴って増勢に転じている。ただし、2月からの雇用者数は1470万人減少しており、2月の水準を9.6%下回っている。

セクター別では、6月はレジャー・ホスピタリティが210万人増と、全体の約4割を占めた。飲食店が150万人増と5月に続き好調を維持した。ただ、飲食店での雇用者数は2月の水準を310万人下回っている。6月は娯楽施設で35.3万人、宿泊業で23.9万人、それぞれ増加した。

小売業は74万人増と、5月は37.2万人増から増勢を加速した。3月と4月は合計で240万人減少していたことから、2月の水準を130万人下回っている。

教育・ヘルスケアは56.8万人増となり、2月の水準を180万人下回った。

製造業は35.6万人増となり、2月水準を75.7万人下回った。自動車関連が19.6万人ぞと半数以上を占めた。

平均時給は0.35ドル下落し、29.37ドルとなった。低賃金労働者での雇用増加が続いていることが、平均時給の圧迫要因となっている。

4月分が10万人分下方修正されて2080万人減となった一方で、5月は19万人分上方修正され、270万人増となり、2カ月合計では9万人の上方修正となった。

6月失業率は11.1%、2.2%ポイント低下

6月の失業率は11.1%と前月から2.2%ポイント低下した。市場予想は12.4%だった。失業者数は320万人減の1780万人となった。5月、6月と失業者数は2カ月連続で減少したものの、2月の水準を1200万人上回り、失業率は7.6%ポイント上昇している。

失業率は、成人男子が10.2%、成人女子が11.2%、10代は23.2%、白人は10.1%、黒人は15.4%、ヒスパニック系は14.5%にそれぞれ低下した。アジア系は13.8%でほぼ同じだった。

一時解雇者は480万人減の1060万人となり、5月の270万人減に続いて大きく減少した。

一方、通常解雇者は58.8万人増の270万人と増勢を維持している。労働市場への再参入者は71.1万人増の240万人となった。

失業期間は5週未満が100万人減と280万人。514週が330万人減の1150万人と全体の65.2%を占めた。一方、1526週は82.5万人増の190万人、27週以上は22.7万人増の140万人となり、失業期間が長期化していることが浮き彫りとなった。

労働参加率は0.7%ポイント上昇の61.5%で、2月の水準を1.9%ポイント下回った。就業者数は490万人増の14220万人、雇用率は1.8%ポイント上昇の54.6%となったが、2月の水準を6.5%ポイント下回った。

フルタイムの労働者は240万人増の11890万人、パートタイムも240万人増の2320万人。フルタイムを希望しているが、見つからないなどの理由でパートタイムで働く経済的理由でのパートタイマーは160万人減の900万人となった。

求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口は76.7万人減の820万人となったが、2月の水準を320万人上回った。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者は250万人で、前月とほぼ同じとなった。

4-6月期GDP30%超のマイナスも、感染再拡大を警戒

予想を大幅に上回るスピードで雇用が回復していることから、景気のV字回復への期待が高まっている。とはいえ、4-6月期のGDPは引き続き大幅な悪化が予想されている。アトランタ連銀のGDPナウは79日現在でマイナス35.5%と予想。ニューヨーク連銀のナウキャストは710日現在で4-6月期をマイナス15.3%、7-9月期をプラス10.1%と予想している。

74日終了週の失業保険申請件数は1314000件と前週の1413000件から減少し、市場予想の1375000件も下回った。減少傾向は続いているものの、ここ最近の減少は緩やかで、継続受給者数も高止まりとなっている。

627日までの週の失業保険受給者件数は18062000件。前週は1876万件だった。失業保険には週600ドルを特別措置が実施されており、実際の失業者数を歪めている可能性がある。特別措置は7月末に切れる予定なので、実体が把握できるのは早くても9月の雇用統計を待つ必要がある。ただ、8月以降の新規失業保険申請件数と継続受給件数の推移が大きなヒントとなりそうだ。

米国では、フロリダ州やテキサス州、カリフォルニア州など南部と西部中心に新型コロナの感染確認者数が増加しており、経済活動再開の動きにブレーキがかかる可能性が高まっていることも懸念材料だ。