【4月米雇用統計】雇用者数は26.6万人増、失業率は6.1%に上昇

4月の雇用統計では雇用者数が前月比26.6万人増と4カ月連続で増加した。一方、失業率は0.1ポイント上昇して6.1%に悪化した。19000億ドル(約207兆円)の追加景気対策の成立やワクチンの普及により、米労働市場の改善傾向は続いているものの、失業保険の特別給付金が終了する9月までは労働市場の回復ペースは緩やかとなる可能性が示された。

雇用者数、4月は26.6万人増 水準は昨年2月を820万人下回る

4月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は前月比26.6万人増と、市場予想の100万人増を大幅に下回り、3月の77万人増、2月の536000人増から増加幅も大きく鈍化した。4月の雇用者数は昨年2月の水準を5.4%、820万人下回っている。

業種別では、レジャー・ホスピタリティが33.1万人増と大きく増えた。多くの地域での新型コロナウイルス流行による行動制限の緩和が寄与した。飲食業が18.7万人増と全体の半分以上を占めた。また、娯楽関連で7.3万人、宿泊業で5.4万人それぞれ増加した。レジャー・ホスピタリティでの雇用者数は1年間で540人増加したものの、昨年2月を16.8%、280万人下回っている。

その他サービスで4.4万人増加し、このうち修理・維持で1.4万人、洗濯サービスで1.4万人それぞれ増えた。その他サービスは昨年2月の水準を35.2万人下回っている。

教育部門では地方自治体で3.1万人増加したものの、昨年2月を61.1万人下回った。連邦政府では0.9万人増加した。

ソーシャルアシスタンスは2.3万人増加した。約半数が子供のデイケアサービス(1.2万人増)だった。ソーシャルアシスタンスは昨年2月を28.6万人下回った。

一方、専門・ビジネスサービス業では、派遣サービスが11.1万人減少し、昨年2月を29.6万人下回った。

製造業では1.8万人、小売業では1.5万人それぞれ小幅に減少した。建設業とヘルスケアはそれぞれほぼ横ばいだった。

平均時給は0.21ドル増の30.17ドル。週平均労働時間は0.1時間増の35.0時間だった。

2月分が6.8万人上方修正されて53.6万人増、3月分は14.6万人下方修正されて77万人増となり、2カ月合計では7.8万人の下方修正となった。

4月失業率は6.1%、前月から0.1ポイント上昇

4月の失業率は6.1%と前月から0.1ポイント上昇した。市場予想では5.8%への低下が見込まれていた。失業者数は980万人で、昨年2月を約410万人上回った。失業率も昨年4月の高水準からは大きく低下しているものの、昨年2月を2.6ポイント上回っている。

失業率は、成人男子が6.1%、成人女子が5.6%、ティーンエイジャーが12.3%、白人が5.3%、黒人が9.7%、アジア系が5.7%、ヒスパニック系が7.9%で、それぞれ前月から大きな変化はなかった。

一時解雇者は210万人で、前月からほぼ横ばいとなった。4月の1800万人から大きく減少しているものの、昨年2月を140万人上回っている。また、通常の失業者も前月からほぼ変わらずの350万人となり、昨年2月を220万人上回った。

失業期間が5週未満の失業者数が23.7万人増の240万人となった。一方、1526週は18.8万人減の120万人だった。27週以上の長期失業者は420万人でほぼ変わらずとなり、昨年2月を310万人上回り、全体の43.0%を占めた。

労働参加率はほぼ横ばいの61.7%となり、昨年2月を1.6ポイント下回った。雇用率もおおむね横ばいの57.9%となり、昨年2月を3.2ポイント下回った。

フルタイムを希望しているが、見つからないなどの理由でパートタイムで働く経済的理由でのパートタイマーは58.3万人減の520万人で、昨年2月を84.5万人上回った。

求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口はほぼ変わらずの660万人となり、昨年2月を160万人上回った。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者はほぼ変わらずの190万人で、昨年2月を41.9万人上回った。

新型コロナの影響で在宅勤務をしている就業者は全体の18.3%となり、3月の21.0%から低下した。新型コロナの影響で職場が閉鎖となり、まったく仕事をしていないかごく限られた勤務に従事している人は940万人で3月の1140万人から減少した。このうち9.3%には少なくとも給与の一部が支払われ、この割合は3月とほぼ同じとなった。

280万人が新型コロナの影響で職探しができない状態にある。数字は3月の370万人から減少した。こうした人たちは職探しをしていないことから失業者にはカウントされていない。

1-3GDP6.4%増に加速、米ワクチン接種は2.5億回分突破

米疾病対策センター(CDC)によると、58日時点で米国内に配布された新型コロナワクチンは33000万本余りで、25700本余りが投与された。

ワクチン普及による行動制限の段階的な解除と大型の財政刺激策の相乗効果で、米景気は回復の勢いを増している。1-3月期の米実質国内総生産(GDP)は前期比年率6.4%増と、10-12月期の4.3%増から伸び率を加速した。水準はコロナ流行前の201910-12月期とほぼ並んだ。

3月の個人消費は前月比4.2%増と2月の1%減から持ち直した。2月に7%減少していた個人所得も3月は21.1%増加した。貯蓄率も13.9%から27.6%に大幅に上昇した。政府による現金給付が寄与した。

57日時点でのGDPナウは4-6月期のGDPを前期比年率11.0%増と予想。同じく57日時点のナウキャストは5.1%増と予想しており、堅調な拡大が続く見通しとなっている。

51日までの1週間の新規失業保険申請件数は498000件と、前週の59万件から減少し、コロナ流行後で初めて50万件を下回った。

4月の雇用統計では雇用者数の伸びが予想を大きく下回ったが、季節調整による歪みが指摘されているほか、失業保険の特別給付金が職場への復帰意欲を削いでいる可能性がある。失業保険の特別給付金は9月末まで週400ドル上乗せされる。とはいえ、他の経済指標が米景気の力強い回復を示していることもあり、主要株価指数は最高値近辺を維持している。

また、景気の予想以上の急回復を受けて、市場には米連邦準備制度理事会(FRB)の早期量的緩和縮小観測がくすぶっていることから、労働市場の回復鈍化は緩和政策維持との安心感につながり、むしろ株価の支援材料になっているもようだ。