【3月米雇用統計】雇用者数は91.6万人増、失業率は6.0%に低下

3月の雇用統計では雇用者数が前月比91.6万人増と3カ月連続で増加し、失業率は0.2ポイント低下して6.0%となった。19000億ドル(約207兆円)の追加景気対策の成立やワクチンの普及により、米労働市場はさらに改善傾向が続くとみられている。

雇用者数、3月は91.6万人増 水準は昨年2月を840万人下回る

3月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は前月比91.6万人増となり、市場予想の67.5万人増を大幅に上回った。3月の雇用者数は昨年2月の水準を5.5%、840万人下回っている。

業種別では、レジャー・ホスピタリティが28.0万人増と大きく増えた。一部地域での新型コロナウイルス流行による行動制限の緩和が寄与した。飲食業が17.6万人増と全体の3分の2を占めた。また、芸術・娯楽関連で6.4万人、宿泊業で4.0万人それぞれ増加した。レジャー・ホスピタリティでの就業者数は昨年2月を18.5%、310万人下回っている。

教育部門は、公的部門、民間部門ともに大幅に増加。

大半の地域で対面授業や学校関連の活動が再開されたことが反映された。

地方自治体で7.6万人、州で5.0万人、民間で6.4万人それぞれ増加した。

昨年2月と比べると、地方自治体で59.4万人減、州で27万人、民間で31万人それぞれ減少している。

建設業は11万人の増加となった。2月は悪天候の影響で5.6万人減少していた。昨年2月と比べると18.2万人減少している。

専門・ビジネスサービス業では6.6万人増加した。昨年2月は68.5万人下回った。

ソーシャルアシスタンスは2.5万人増加した。昨年2月は30.6万人下回った。

小売業では2.3万人増加した。衣料品店では1.6万人、自動車・部品店で1.3万人、家具・インテリア店で0.6万人それぞれ増えた。一方、スーパーでは0.7万人減少した。

小売業は昨年の3月と4月の2カ月合計で240万人減少した後、5月から今年2月までに200万人増えた。

平均時給は0.04ドル減の29.96ドル。週平均労働時間は0.3時間増の34.9時間だった。

1月分が6.7万人上方修正されて23.3万人増、2月分は8.9万人上方修正されて46.8万人増となり、2カ月合計では15.6万人の上方修正となった。

3月失業率は6.0%、前月から0.2ポイント低下

2月の失業率は6.2%と前月から0.2ポイント低下した。市場予想は6.0%だった。失業者数は970万人で、昨年2月を約400万人上回った。失業率も昨年4月の高水準からは大きく低下しているものの、昨年2月を2.5ポイント上回っている。

失業率は、アジア系が6.0%に上昇した一方で、ヒスパニック系が7.9%に低下した。成人男子が5.8%、成人女子が5.9%、ティーンエイジャーが13.0%、白人が5.4%、黒人が9.6%でほぼ変わらずだった。

一時解雇者は20.3万人減の200万人となった。4月の1800万人から大きく減少しているものの、昨年2月を130万人上回っている。一方、通常の失業者は前月からほぼ変わらずの340万人で、昨年2月を210万人上回った。

失業期間が27週以上の長期失業者は420万人でほぼ変わらずとなり、2月を310万人上回り、全体の43.4%を占めた。514週は31.3万人減と190万人。5週未満の失業者数はほぼ横ばいの220万人だった。

労働参加率はほぼ横ばいの61.5%となり、昨年2月を1.8ポイント下回った。雇用率は0.2ポイント上昇の57.8%となり、昨年2月を3.3ポイント下回った。

フルタイムを希望しているが、見つからないなどの理由でパートタイムで働く経済的理由でのパートタイマーはほぼ変わらずの580万人で、昨年2月を140万人上回った。

求職活動をあしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口もほぼ変わらずの690万人となり、2月を180万人上回った。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者はほぼ変わらずの190万人で、昨年2月を41.6万人上回った。

新型コロナの影響で在宅勤務をしている就業者は全体の21.0%となり、2月の22.7%から低下した。新型コロナの影響で職場が閉鎖となり、まったく仕事をしていないかごく限られた勤務に従事している人は1140万人で2月の1330万人から減少した。このうち10.2%には少なくとも給与の一部が支払われたが、割合は1月の12.7%から低下した。

370万人が新型コロナの影響で職探しができない状態にある。数字は1月の420万人から減少した。こうした人たちは職探しをしていないことから失業者にはカウントされていない。

米ワクチン接種は1億回突破、74日までにコロナからの「独立」目指す

327日までの1週間の失業保険申請件数は前週比61000件増の719000件となり、市場予想の68万件を上回った。新型コロナウイルスワクチンの普及に伴い、労働市場も順調に回復しており、基調的な改善傾向に変化はない。とはいえ、予想外の増加に転じたことは、労働市場がコロナ前の水準を回復には時間がかかることを浮き彫りにした。

ウォールストリートジャーナル(WSJ)がまとめたエコノミスト調査によると、今後1年間の雇用者数の伸びは月平均51.4万人、合計600万人余りと予想された。12カ月間の伸びとしては数十年ぶりの規模が見込まれているものの、全体の雇用者数それでもコロナ前の水準には届かない。

41日時点でのGDPナウは1-3月期のGDPを前期比年率6.0%増と予想。42日時点のナウキャストは6.18%増と予想しており、いずれも高い数字が見込まれている。

米疾病対策センター(CDC)によると、42日時点で米国内に配布された新型コロナワクチンは2470万本余りで、15760本余りが接種された。

バイデン大統領は325日、4月末までの就任100日間で2億回の接種を実施すると発表し、当初の目標だった1億回から2倍に引き上げた。当初の予定よりも急速に普及が進展しているためで、足元のペースでも十分に達成可能な数字となっている。

ニューヨーク州では330日から30歳以上が接種対象となり、46日から16歳以上が接種対象となる予定だ。

51日までには全米で成人の希望者全員にワクチンが接種できる体制が整う予定で、74日の独立記念日までにコロナから「独立」したい考えだ。

大型の景気対策とワクチンの普及により、米景気の早期回復への期待が高まっており、目先的には労働市場の改善は加速すると予想されている。楽観的な景気見通しを背景に、ダウ平均やS&P500といった主要株価指数の最高値更新が続いている。