【12月米雇用統計】雇用者数は22.3万人増、失業率は3.5%に低下

12月の雇用統計では雇用者数が前月比22.3万人増と、20万人程度の増加を見込んでいた市場予想をやや上回った。失業は前月から0.1ポイント低下の3.5%で、横ばいを見込んでいた市場予想よりも改善した。堅調な雇用拡大が確認された一方で、賃金の伸びが鈍化位したインフレ懸念が後退。米連邦準備制度理事会(FRB)の将来的な利上げ見通しも合わせて後退し、株式市場は大幅高となった。

雇用者数、12月は22.3万人増 市場予想をやや上回る

米労働省が発表した12月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月比22.3万人増加し、20万人程度の増加を見込んでいた市場予想を上回った。2022年は通年で450万人(月平均で37.5万人)増加した。2021年は670万人(月平均で56.2万人)の増加だった。

業種別では、レジャー・ホスピタリティ、ヘルスケア、建設などで主に増加した。

レジャー・ホスピタリティは6.7万人増加。飲食店が2.6万増と好調を維持した。娯楽・ギャンブル・レクリエーションも2.5万人増と大きく伸びた。レジャー・ホスピタリティは2022年通年では月平均で7.9万人増と、2021年の月平均19.6万人増と比べると半分以下の伸びにとどまった。レジャー・ホスピタリティでの雇用者数は20202月の水準を93.2人(5.5%)下回っている。

ヘルスケアは5.5万人増加した。外来診療サービス(3.0万人増)、病院(1.6万人増)、介護施設(0.9万人増)などで増えた。ヘルスケアは2022年通年での月平均が4.9万人増となった。2021年は月平均で0.9万人増だった。

建設は2.8万人増加した。専門工事業者が1.7人増と好調だった。建設は2022年に月平均で1.9万人増加し、2021年の月平均1.6万人増とおおむね同じとなった。

平均時給は前月比0.09ドル(0.3%)増の32.82ドルだった。前年同月比では4.6%の増加となった。週平均労働時間は34.3時間で前月から0.1時間減少した。

10月分が2.1万人下方修正されて26.3万人増に、11月分は0.7万人下方修正されて25.6万人増となり、2カ月合計では2.8万人の下方修正となった。

12月失業率は3.5%、前月から0.1ポイント低下 予想よりも改善

12月の失業率は3.5%と前月から0.1ポイント低下し、横ばいを見込んだ市場予想よりも改善した。失業率は3月以降、3.53.7%の狭いレンジ内で推移している。失業者数は小幅に減少し570万人となった。

失業率は、白人が3.0%に低下した。成人男子(3.1%)、成人女子(3.2%)、ティーンエイジャー(10.4%)、黒人(5.7%)、アジア系(2.4%)、ヒスパニック系(4.1%)のいずれも前月から大きな変化はなかった。

失業期間が27週以上の長期失業者は110万人で、前月比で14.6万人減少した。長期失業者は全体の18.5%を占めている。1年前の長期失業者数は200万人だった。

労働参加率は62.3%で前月からほぼ変わらずとなった。雇用率は60.1%と前月から0.2ポイント上昇した。労働参加率、雇用率ともに2022年の序盤とほぼ同じ水準にある。

フルタイムを希望しているが、見つからないなど経済的理由でのパートタイマーは390万人で前月からほぼ変わらずだった。

求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口は前月から35.2万人減の520万人となった。20202月は510万人だった。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者は130万人で、前月から23.1万人減少した。

賃金伸び鈍化でインフレ期待が後退、利上げも最終局面へ

12月雇用統計では、堅調な雇用の拡大が確認された一方で、賃金の伸びが鈍化した。賃金の伸び鈍化を受けて、インフレ期待が後退し、インフレ抑制を目的とした利上げの最終到達点となるターミナルレートの見通し水準も低下。インフレ率が比較的速やかに低下する可能性への期待が高まったことから、雇用統計の発表後に株式市場は大幅高となった。次回FOMCでの利上げ幅は0.25ポイントに縮小される見通しで、昨年3月に始まった利上げも最終局面を迎えているもようだ。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが発表しているフェデラル・ファンドレート(FFレート)先物市場が織り込む金利変更確度を示す「フェドウォッチ」によると、110日現在、131日・21日会合での0.25ポイントの利上げ確率は76.7%となっている。