【10月FOMC結果】0.25%利下げ、年内見送りを示唆 声明文に焦点移る

10月FOMCでは、政策金利が0.25%ポイント引き下げられた。状況はまだ流動的ではあるものの、予防的利下げの終了が示されたことで、次回FOMCでの注目は声明文での文言変更に移りそうだ。

3会合連続利下げ、年内追加利下げは見送りへ

10月29・30日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0.25%ポイント引き下げ、1.50~1.75%にすることが決まった。利下げは7月会合から3会合連続で、今年3回目。

声明文では、景気判断についての大きな変更はなく、従来からの判断を据え置いた。前回の「設備投資と輸出は弱まった」から「設備投資と輸出は弱いままである」と微調整した一方で、「個人消費は力強いペースで拡大している」との文言に変更はなかった。

ただ、政策見通しでは「適切に行動する」との文言を削除し、利下げの終了を示唆した。

パウエル議長は前回の記者会見で「現在進行形のリスクに保険をかける」と述べ、景気減速を未然に防ぐ「予防的利下げ」を強調していた。今回は「経済活動は拡大が続き、政策スタンスは現状が適切だ」と述べ、金融政策の変更を当面見送る姿勢を示した。

その一方で、「金融政策にあらかじめ決まった道筋はない」とも述べ、状況が変化した場合には適切に行動する姿勢を示し、追加利下げに含みを持たせている。

投票では2人が反対、低失業率と低インフレ巡り見解の溝埋まらず

10月FOMCでは投票メンバー10人のうち、カンザスシティ連銀のジョージ総裁とボストン連銀のローゼングレン総裁の2人が金利据え置きを求めて反対票を投じた。

FRBは景気の現況を「労働市場が力強く推移し、経済活動が緩やかなペースで拡大している」としており、この文言だけを見る限りではそもそも利下げが必要な状況とは考えづらい。ジョージ氏とローゼングレン氏の反対はこうした見方を反映していると言えるだろう。

失業率が約50年ぶりの低水準で推移し、労働市場で需給がひっ迫している中で、利下げを正当化しているのは低インフレにほかならない。

FRBが政策判断で重視する個人消費支出PCE物価指数は9月、前年同月比の伸び率が1.3%上昇にとどまり、8月から0.1ポイント低下した。

声明文では「インフレ率は2%を下回っている」と正しく認識しているが、「将来のインフレを示す市場ベースの指標は低いままで、調査に基づいた長期的なインフレ期待の指標はあまり変わっていない」とやや事実とは異なる見解を述べている。ニューヨーク連銀やミシガン大が発表している消費者のマインド調査ではインフレ期待は低下しているからだ。

インフレとインフレ期待がそろって低下していることを踏まえると、利下げはまだ十分でないと考えるのが妥当だろう。3会合連続で計0.75%ポイントの利下げは、インフレ率を2%に回復させるには十分であるとFRBが認識したと考えることは可能だが、まだその証左は得られていない。

雇用がひっ迫している中で利下げをする必要があったのか、インフレ率が低下しているのになぜ利下げを止めようとしているのか、この辺りは謎に包まれたままとなっている。

政策スタンスは様子見、声明文の変更が今後のカギに

CMEのフェッドウォッチによると、次回12月FOMCで利下げ確率は11月1日現在で11.8%となっており、市場は年内の金利据え置きを織り込んでいる。

ただ、米中貿易協議は「部分的」合意間近と伝えられているが、来年以降にずれ込むようだと、年内追加利下げの可能性が高まりそうだ。また、インフレ率がこのまま下がり続けた場合、来年の早い時期での追加利下げが検討されるかもしれない。

これまでのところ、声明文でのキーワードは「適切に行動する」と「忍耐強くなれる」とみらているが、現在はどちらも含まれていない。12月FOMCで「適切に行動する」が復活するようなら、来年の早い時期での利下げが予想されるだろう。一方、「忍耐強くなれる」との文言が加わるようだと、将来的な利上げを見据えての当面様子見と解釈され、タカ派への転換が示されることになりそうだ。声明文の目立った変更がなければ、利下げに含みをもたせつつも現状維持を続けるサインとなりそうだ。