3月FOMCでは、2019年は利上げを見送るとの意向が示され、バランスシート(BS)の縮小は9月で終了することが表明された。想定外にハト派な内容を好感し、米株価は一時上昇したものの、景気の先行きに対する悲観的な内容が見直され、最終的に株価は弱含んだ。
ドットチャートは年内金利据え置き、20年1回の利上げを示唆
3月19日、20日に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25~2.50%に据え置くことを決めた。
FOMC委員による金利見通しは、2019年にゼロ回、2020年に1回の利上げを示唆。前回12月は19年に2回、20年に1回が見込まれていた。
3月のドットチャートでは17人中11人が年内の金利据え置きを予想、12月の2人から一気に増えている。年内に1回の利上げを見込む向きは4人、2回が2人となった。12月には6人だった3回との予想はなくなった。20年についても、7人が現在の金利水準からの据え置きを予想しており、利上げ打ち止めとの見方を強める格好となった。
市場では年内1回の追加利上げが有力視されていたことから、想定外にハト派な見通しとなった。
成長見通し、インフレ見通しともに低下
2019年の成長見通しは2.3%から2.1%へ、20年は2.0%から1.9%へそれぞれ下方修正された。
19年のインフレ見通しは1.9%から1.8%へ、20年は2.1%から2.0%へそれぞれ引き下げられた。
成長率、インフレ率ともに従来より弱めの見通しが示されたことから、景気減速への警戒感が強まった。
BS縮小は9月末で終了
3月FOMCでは9月末でバランスシートの縮小を停止することも発表された。FRBは現在、保有債券の償還資金の再投資を見送ることで、バランスシートを自然に縮小させている。月間で米国債300億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)200億ドルを上限にそのまま償還させるスキームとなっているが、償還を迎える保有債券が上限より少ないことが多く、実際の償還ペースが上限を下回っている。
FRBは今回、米国債の償還による資産の縮小ペースを5月から月間150億ドルに減額し、9月末で停止するとした。MBSについては引き続き償還させ、上限の200億ドル超えない範囲で償還資金を米国債に再投資する。将来的にはMBSの保有をゼロにしたい考えで、現在保有しているMBSはすべて米国債に置き換わることになる。
パウエル議長、景気は堅調も次の一手は示さず
パウエル議長はFOMC後の記者会見で「成長は予想よりもいくぶん鈍くなっている」とし、景気減速を追認した。リスク要因として、英国の欧州連合(EU)離脱や米中貿易協議の不透明感を挙げている。ただ、「経済のファンダメンタルズは非常に強い」と述べ、景気失速懸念を釘を刺した。
市場では年内利下げを予想する声も強まっており、フェドウォッチによると3月21日現在の年内利下げ確率は41%となっている。
パウエル議長は「経済データはどちらの方向に動くかのシグナルを送っていない」と指摘。政策金利の「次の一手」が利上げが、利下げについての判断を示さず、今後の状勢を慎重に見極める姿勢を見せた。
