9月FOMCでは予想通り追加利上げが決定されました。年内の利上げ回数はあと1回で決着がつき、焦点は来年中の到達が見込まれる中立金利到達後も利上げを続けるべきなのかどうかに移ったようです。
米利上げは年内にあと1回、来年以降の見通しはばらけたまま
9月24日、25日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の0.25%ポイント引き上げが決定され、FF金利の誘導目標は2.00-2.25%となりました。
6月FOMCでは、2018年通年での利上げ回数を3回とするのか4回のするのかで意見が分かれていましたが、9月FOMC後に公表されたドットチャートをみると、FOMCメンバー16名中12名が12月FOMCでの追加利上げを支持しており、年内にもう1回利上げをすることで決着がついたようです。
ただ、2019年に関してはまだコンセンサスは確認できません。平均すると3回の利上げが見込まれていますので、3回を中心に見ることには問題はありませんが、分布が広いことから、何回に落ち着くのかは今後の経済指標次第であり、かなり幅を持って考えたほうがよさそうです。
2020年に関しては平均値でみると2019年を1回分上回っていますが、こちらも見通しはばらけており、流動的とみるべきでしょう。
今回初めて公表された2021年の金利見通しはさらに上下の幅が広く2.0%から4.0%超までばらけています。平均値でみると、2020年から横ばいとなっていますので、2020年で利上げは打ち止めとの見方を後押ししていますが、かなり幅のある分布の平均値を比較している点には留意が必要です。
景気を冷やすべきか否かが焦点へ
2020年の金利見通しでは、年内にもう1回、2019年に3回を前提にすると、6名が2回、4名がゼロ回となっており、利上げをすべきかどうかで気迷いムードであることがうかがえます。
現在のFF金利は2.00-2.25%ですので、あと4回で3.00-3.25%となり、景気に中立な2.9%を上回ることになります。おそらく、議論の中心となっているのはここからさらに利上げ継続すべきかどうか、別の言い方をすると景気を冷ますべきかどうかにあることがうかがえます。
現状では、9名が中立金利達成後も利上げの継続を支持しており、7名が中立金利もしくはそれを下回る水準にとどまるべきだと考えているようです。
したがって、大勢としては中立金利に到達しても景気を冷ますために利上げを継続することが支持されているといえるでしょう。
これは高い成長率を達成できるとの見通しと整合的です。FRBは2019年の成長率を2.5%、2020年を2.0%と見込んでおり、いずれも潜在成長率とされている1.8%を上回っています。こうした高い成長見通しが中立水準達成後の利上げ継続を後押ししているのかもしれません。
景気後退は2022年以降?
経験則ではFRBの最後の利上げから景気後退までのタイムラグは1年から1年半となっています。たとえば、前回の景気後退は2007年12月から始まっていますが、それ以前の最後の利上げは2006年の6月でした。同様に2000年5月に最後の利上げをし、2001年3月から景気後退が始まっています。
こうした経験則を踏まえると、景気後退が始まるのはは早くても2年先と考えるのも頷けるでしょう。現時点での思惑通り、利上げ終了が2020年ということであれば、景気後退が訪れるのは2022年頃となりそうです。
