【直前リポート】2月米雇用統計、賃金を含め全体的に下振れリスクを警戒

1月の雇用統計では賃金が予想以上の伸びとなり、株価の急落を招きました。2月は賃金の伸び鈍化など、先月とは逆方向のサプライズが起こる可能性があり、全般的に 下振れに対する警戒感を強めたほうがよさそうです。

雇用者数、賃金ともに下振れを警戒

1月の米雇用統計では雇用者数が前月比20.0万人増、失業率は4.1%、賃金が前年比2.9%上昇となり、事前予想を上回る内容となりました。

特に、賃金の伸びが予想以上に上昇したことから、利上げ観測が強まり、その影響で株価が急落しています。

2月の事前予想は雇用者数が20.5万人増、失業率は4.0%、賃金の伸びは2.8%が見込まれています。

類似の統計である2月のADPが23.5万人増だったこともあり、やや強気の内容となっていますが、雇用者数が増勢を維持できない恐れもあり、警戒が必要かもしれません。

求人数が減少、人材確保困難で雇用拡大に黄信号

雇用者数は10月の27.1万人増から11月は21.6万人増、12月は16.0万人増へと増勢を鈍化させてきましたが、1月は20.0万人増と回復しています。

ただし、求人数や採用数が減少傾向にあり、増勢を維持するのは徐々に難しくなっていることを匂わせています。

12月の求人数は581.1万件と前月から16.7万件減少しました。11月分が上方修正されたことから、減少は2カ月ぶりとなりますが、昨年9月の617.7万件をピークに減少傾向が続いており、求人率は9月の4.0%から12月は3.8%へと低下してます。

また、12月の採用数は548.8万件と前月から0.5万件の微減となり、減少は2カ月連続となっています。

求人数や採用数の減少は、適当な人材を確保することが難しくなったことを示唆しており、供給の制約から雇用の改善にストップがかかる恐れがありそうです。

就業者数は伸び悩み、失業者数は増加

失業率の算定に利用される家計調査ではさえない数字が並んでいます。

就業者数を見ると、1月は9.1万人増加(人口調整後)しているものの、水準は昨年9月とほぼ同じとなり、伸び悩んでいます。

また、1月は失業者が9.3万人増加(人口調整後)しており、失業者数は昨年10月をボトムに増加傾向となっています。

失業率は10月から1月まで4カ月連続で4.1%、労働参加率も同じく4カ月連続で62.7%となっており、ともに改善が足踏みしています。

こうした状況を踏まえると、失業率のさらなる改善を期待するはやや楽観的なのかもしれません。また、パートタイムが増えている点も気がかりといえます。

単位労働コストの伸び鈍化、実質賃金は低下

物価の目安として注目されている単位単位労働コストを見ると、2017年は0.4%上昇と2014年の1.9%上昇から3年連続で低下しています。相対的に生産性の伸びに対して賃金が伸びていないことを示しています。

また、時間当たりの実質賃金を見ると、2017年は0.5%低下と昨年の0.2%低下に続き、2年連続で低下しており、昨年より下げ幅を拡大しています。名目賃金は上昇しているとしても、賃金の伸びが物価の伸びに追いついてないことを示唆しています。

1月の雇用統計では時間当たり賃金は前月比0.3%上昇、前年同月比2.9%上昇となり、事前予想を上回る伸びとなりました。2月は前月比0.2%上昇、前年同月比2.8%上昇が見込まれています。落ち着いた数字が予想されてはいますが、賃金の伸びが予想以上に鈍化する恐れもあり、1月とは逆方向のサプライズが起こるリスクには警戒が必要かもしれません。