10-12月期の米GDP成長率は予想には届きませんでしたが、堅調さを維持しています。個人消費が好調で所得も伸びていますが、貯蓄率の低下やカードローンの増加に警戒感が強まっています。
10-12月期の米GDP成長率は+2.6%、予想を下回るも内容的には好調を維持
10-12月期の米GDP成長率は前期比年率+2.6%と市場予想の+3.0%に届きませんでした。7-9月期の+3.2%からは増勢が鈍化しましたが、柱となる個人消費が3年ぶりの大幅増(+3.8%)と7-9月期(+2.2%)から勢いを増してしますので、内容的に見ると景気の拡大は加速していると捉えることもできそうです。
GDPを押し下げたのは純輸出と在庫投資です。ドル安で輸出も伸びてはいるのですが、国内景気が好調なことから輸入が+13.9%と7年ぶりの大幅増となり、貿易赤字の拡大がGDPを押し下げました。また、生産が消費に追いつかず、在庫が減少したこともGDPを押し下げ要因となりました。
2017年は通年で+2.3%と2016年の+1.5%から大きく加速しました。減税やドル安、原油高などから2018年もさらに成長を加速させる見通しで、政府目標となる3.0%の達成を期待する声も少なくありません。
ただし、米経済が最大雇用の状態にあることから、減税が景気に与える影響は限定的との見方もあります。また、貯蓄率が過去最低の水準まで低下していることから、減税による景気の押し上げ効果が一巡した後、個人消費が拡大を維持できるほど所得が伸びない恐れもありそうです。
また、短期的な景気の過熱を警戒してFRBが利上げペースを速めることも警戒されています。10-12月期のPCE物価指数は前期比年率で+2.8%と前期の+1.5%から大幅に伸び、瞬間風速ではFRBが目標とする2.0%を大きく上回っています。基調的な物価の動きを示すエネルギーと食品を除いたコアPCEも+1.9%と前期の+1.3%から伸びが加速しています。
米経済は潜在成長率を上回るペースでの成長を続けているほか、ドル安やエネルギー価格の上昇もあり、2018年にインフレが加速するのではないかと懸念されています。
個人消費は12月も堅調、貯蓄率の低下を警戒
12月の米個人消費は前月比+0.4%と堅調を維持。11月は+0.6%から+0.8%に上方修正されました。また、12月の個人所得は+0.4%と11月の+0.3%から伸びを加速させています。
ただし、12月の貯蓄率が2.4%と2005年9月以来、12年ぶりの低水準となっていることが警戒されています。
株価や住宅価格が上昇していることで、貯蓄を取り崩すことに抵抗感が薄れているようです。貯蓄率の低下が限界に近づくと、消費の拡大を維持するためには高い所得の伸びが必要となります。
所得の伸びが消費に追いつかない場合には、消費にブレーキがかかる恐れがあります。
カードローンが大きく増加、借り過ぎに注意
好調な個人消費に歩調を合わせて個人の借金も急拡大しています。
11月の消費者信用残高は3兆8272億ドルと前月から279億ドル増え、事前予想の179億ドルを大きく上回りました。年率換算では前月比+8.8%となり、2015年9月以来2年2カ月ぶりの大きな伸びとなっています。
ローンの内訳は、クレジットカードを含む「リボルビング払い」が+13.3%、自動車ローンや教育ローンを含む「非リボルビング払い」が+7.2%となっています。
借り入れの拡大は景気にとってプラスではありますが、ローン遅延率が上昇していることから、借り過ぎに対する警戒感も強まっているようです。
