米軍によるシリアへの空爆で中東情勢が緊迫化しており、その影響で原油価格が高騰しています。シリアへの軍事介入に伴い、米国とイランとの間の緊張感も強まっており、中東情勢がきな臭くなっています。
米軍がシリアへ空爆、中東情勢緊迫化で原油価格が高騰
原油価格(WTI、期近)が60ドル台後半まで上値を伸ばし、2014年12月以来、3年4カ月ぶりの高値圏へと浮上しています。
米国がシリアへの軍事行動をほのめかしたことで中東情勢が緊迫化したことが背景となっています。
トランプ大統領は9日、化学兵器使用の疑いがあるシリアに対し「48時間以内に重大な決断をする」と発言、軍事行動に向けて準備を進めていると受け止められました。
こうした中で、11日にはイエメンからサウジアラビアに向けて弾道ミサイルが発射され、サウジが迎撃しています。ミサイルは石油関連施設を狙っているとの懸念が浮上したことも原油価格の追い風になっています。
13日にはトランプ大統領がシリアへの空爆を開始したことを表明。英仏軍と合同で化学兵器施設を攻撃したことを明らかにしています。ただ、14日には「任務完了」とのツイートが流れたことから、シリアへの軍事介入は1回限りの限定攻撃との見方が広がり、戦火の拡大に対する懸念は後退しています。
ただし、今回の空爆によるシリアのアサド政権へのダメージは限定的とみられており、内戦の終結は遠のいたようです。米国がアサド政権による化学兵器の使用を指摘したことで、アサド政権への圧力を強めることが予想されるからです。
また、トランプ大統領はアサド政権の後ろ盾となっている、ロシアとイランに対しても制裁措置を検討すると述べていますので、米ロ、米イランの対立が深まる恐れがあります。
9日にはイスラエルとみられるシリア空軍基地への攻撃で、アサド政権を支援するイラン人兵士の死亡が伝えられており、米国の同盟国であるイスラエルとイランとの関係が悪化していることも問題を複雑にしています。
トランプ大統領はイランとの核合意破棄を唱えており、核合意維持の立場だったティラーソン国務長官が3月に解任され、代わって核合意破棄に前向きとされるポンペオ氏が起用されています。
シリア情勢が混沌とするなかで、米イランの関係もきな臭くなりそうです。
