【5月米雇用統計】雇用者数は33.9万人増、失業率は3.7%に上昇
5月の雇用統計では雇用者数が前月比33.9万人増となり、市場予想を上回った。一方、失業率は前月から0.3ポイント上昇の3.7%となり、市場予想(3.5%)よりも悪化した。雇用者数は市場予想を上回り、労働市場の堅調さが改めて示されたものの、失業率の上昇など強弱まちまちの内容となった。次回6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金利を据え置くとの見方が優勢となっている。
雇用者数、5月は33.9万人増 市場予想を大きく上回る
米労働省が発表した5月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月比33.9万人増加し、19万人程度を見込んでいた市場予想を大幅に上回った。5月の伸びは、過去12カ月の月平均(34.1万人増)とおおむね一致した。
業種別では、専門・ビジネスサービス、政府部門、ヘルスケア、レジャー・ホスピタリティなどで主に増加した。
専門・ビジネスサービスは6.4万人増で、4月とほぼ同じ伸びとなった。専門・科学・技術サービスが4.3万人増と引き続き好調だった。
政府部門は5.6万人増。過去12カ月の月平均(4.2万人増)を上回った。政府部門は、コロナ禍前の2020年2月の水準を20.9万人(0.9%)下回っている。
ヘルスケアは5.2万人増で、過去12カ月の月平均(5.0万人増)とおおむね一致した。ヘルスケア・サービス(2.4万人増)、病院(2.0万人増)、介護施設(0.9万人増)などが好調だった。
レジャー・ホスピタリティは4.8万人増。過去12カ月の月平均は7.7万人増となった。5月は飲食店が3.3万人増と大半を占めた。レジャー・ホスピタリティでの雇用者数はコロナ禍前の2020年2月の水準を34.9万人(2.1%)下回っている。
平均時給は前月比0.11ドル(0.3%)増の33.44ドルだった。前年同月比では4.3%の増加となった。週平均労働時間は34.3時間で前月から0.1時間減少した。
3月分が5.2万人上方修正されて21.7万人増に、4月分は4.1万人上方修正されて29.4万人増となり、2カ月合計では9.3万人の下方修正となった。
5月失業率は3.7%、前月から0.3ポイント上昇 予想以上に悪化
5月の失業率は3.7%と前月から0.3ポイント上昇。0.1ポイントの上昇を見込んだ市場予想を上回る悪化となった。ただし、失業率は昨年3月以降、3.4~3.7%の狭いレンジ内での推移が続いている。失業者数は前月比44万人増の610万人だった。
グループ別の失業率は、成人女子(3.3%)と黒人(5.6%)で上昇した。成人男子(3.5%)、ティーンエイジャー(10.3%)、白人(3.3%)、アジア系(2.9%)、ヒスパニック系(4.0%)では、いずれのカテゴリーも前月から大きな変化はなかった。
失業期間が5週未満の短期失業者は前月比21.7万人増の210万人だった。15~26週間は17.9万人増の85.8万人となった。27週以上の長期失業者数は120万人で、前月からほぼ横ばいだった。長期失業者は全体の19.8%を占めている。
労働参加率は62.6%、雇用率は60.3%で、いずれも前月からおおむね変わらずとなった。
フルタイムを希望しているが、見つからないなど経済的理由でのパートタイマーは370万人で前月からほぼ変わらずだった。
求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口は前月比ほぼ変わらずの550万人だった。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者は150万人で、前月からおおむね横ばいだった。
雇用堅調も、6月FOMCでは金利据え置きか
5月雇用統計では、堅調な雇用の拡大が確認された一方で、失業率が予想以上に悪化した。また、賃金の伸び率は前年同月比4.3%と前月の4.4%から小幅に鈍化した。
堅調な雇用拡大が示されたものの、失業率の上昇や賃金の伸び鈍化などからインフレ圧力の緩和がうかがえたことから、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げをひとまず停止するとの見方が優勢となっている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが発表しているフェデラル・ファンドレート(FFレート)先物市場が織り込む金利変更確度を示す「フェドウォッチ」によると、次回6月14日会合での金利据え置き確率は、6月6日現在で80.5%となっている。
