4月の雇用統計では雇用者数が前月比25.3万人増となり、市場予想を上回った。失業率は前月から0.1ポイント低下の3.4%で、市場予想に反して改善した。雇用者数と失業率がともに市場予想を上回り、労働市場の堅調さが改めて示されたことで、次回6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ継続の可能性が残された。
雇用者数、4月は25.3万人増 市場予想と一致
米労働省が発表した4月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月比25.3万人増加し、18万人程度を見込んでいた市場予想を上回った。ただし、過去6カ月の月平均(29万人増)には届かなかった。
業種別では、専門・ビジネスサービス、ヘルスケア、レジャー・ホスピタリティ、ソーシャル・アシスタントなどで主に増加した。
専門・ビジネスサービスは4.3万人増で、過去6カ月の月平均(2.5万人増)を上回った。専門・科学・技術サービスが4.5万人増と好調だった。一方、将来の雇用の指標とされる派遣などの臨時雇用は2.3万人減と、減少傾向が続いており、2022年3月のピークからは17.4万人減少している。
ヘルスケアは4.0万人増で、過去6カ月の月平均(4.7万人増)を下回った。ヘルスケア・サービス(2.4万人増)、介護施設(0.9万人増)、病院(0.7万人増)などで増加が続いた。
レジャー・ホスピタリティは3.1万人増となり、過去6カ月の月平均(7.3万人増)を下回った。飲食店が2.5万人増と大半を占めた。レジャー・ホスピタリティでの雇用者数はコロナ禍前の2020年2月の水準を40.2万人(2.4%)下回っている。
平均時給は前月比0.16ドル(0.5%)増の33.36ドルだった。前年同月比では4.4%の増加となった。週平均労働時間は34.4時間で前月から横ばいだった。
2月分が7.8万人下方修正されて24.8万人増に、3月分は7.1万人下方修正されて16.5万人増となり、2カ月合計では14.9万人の下方修正となった。
4月失業率は3.5%、前月から0.1ポイント低下 予想外に改善
4月の失業率は3.4%と前月から0.1ポイント低下。3.6%への上昇を見込んだ市場予想に反して改善した。ただし、失業率は昨年3月以降、3.4~3.7%の狭いレンジ内での推移が続いている。失業者数は前月とほぼ同じの570万人だった。
グループ別の失業率は、成人男子(3.3%)、成人女子(3.1%)、ティーンエイジャー(9.2%)、白人(3.1%)、黒人(4.7%)、アジア系(2.8%)、ヒスパニック系(4.4%)で、いずれのカテゴリーも前月から大きな変化はなかった。
失業期間が5週未満の短期失業者は前月比40.6万人減の190万人だった。27週以上の長期失業者数は120万人で、前月からほぼ横ばいだった。長期失業者は全体の20.6%を占めている。
労働参加率は62.6%、雇用率は60.4%で、いずれも前月から変わらずとなった。2020年2月の労働参加率は63.3%、雇用率は61.1%で、足もとではいずれもコロナ禍前の水準を下回っている。
フルタイムを希望しているが、見つからないなど経済的理由でのパートタイマーは390万人で前月からほぼ変わらずだった。
求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口は前月比34.6万人増の530万人だった。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者は150万人で、前月から19.1万人増加した。
雇用堅調も、6月FOMCでは金利据え置きか
4月雇用統計では、堅調な雇用の拡大が確認されたほか、失業率は予想外の改善となった。また、賃金の伸び率は前年同月比4.4%と前月の4.3%から上昇した。一方、4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.9%上昇と、前月の5.0%から減速し、2年ぶりに5%を下回った。
堅調な雇用拡大や失業率の低下で、利上げ継続の可能性は残されたものの、緩やかながらも賃金の伸び鈍化が示されたことや、インフレ圧力の緩和がうかがえたことから、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを停止するとの見方が優勢となっている。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが発表しているフェデラル・ファンドレート(FFレート)先物市場が織り込む金利変更確度を示す「フェドウォッチ」によると、次回6月14日会合での金利据え置き確率は、6月1日現在で72.7%となっている。
