【1月米雇用統計】雇用者数は4.9万人増、失業率は6.3%に低下

1月の雇用統計では雇用者数が前月比4.9万人増と2カ月ぶりに増加し、失業率は6.3%と0.4ポイント低下した。1月は新型コロナ流行で経済活動が停止した昨年4月以来、8カ月ぶりに減少していた。ワクチンの普及と追加刺激策への期待から株高が続いているものの、コロナ特需のはく落が意識され、ハイテク株が軟調となっている。

雇用者数、1月は4.9万人増 水準は昨年2月を990万人下回る

1月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は前月比4.9万人増となり、市場予想の5万人増とほぼ一致した。1月の雇用者数は昨年2月の水準を6.5%、990万人下回っている。

業種別では、専門・ビジネスサービス業は9.7万人増となり、このうち派遣サービスが8.1万人増と最も大きく伸びた。専門・ビジネスサービスでの雇用者数は昨年2月を82.5万人下回っている。

教育部門も堅調となり、地方自治体で4.9万人、州で3.6万人、民間で3.4万人それぞれ増加した。ただし、新型コロナの影響で例年の季節的な増減に歪みが生じている可能性がある。

一方、レジャー・ホスピタリティが6.1万人減と、12月の53.6万人に続いて減少した。娯楽・賭博・レクリエーション業では2.7万人、宿泊業では1.8万人、飲食業が1.9万人それぞれ減少した。レジャー・ホスピタリティは昨年2月の水準を22.9%、390万人下回っている。昨年3月から4月にかけて820万人減少した後、5月から11月にかけて490人増加したが、最近2カ月は再び減少に転じている。

小売業では3.8万人減少した。12月は13.5万人増加していた。スーパーで3.8万人、家電・電子機器で2.9万人、オンラインストアで1.5万人それぞれ減少した。一方、食料品店で1.5万人、衣料品店で1.5万人、 健康・日用品店で1.4万人それぞれ増加した。小売業での雇用者数は2月を38.3万人下回っている。

運輸・物流業は2.8万人減となり、昨年2月の水準を16.4万人下回った。倉庫業で1.7万人、宅配業で1.4万人それぞれ減少したが、昨年2月と比べると倉庫業は9.7万人、宅配業は13.7万人それぞれ増加している。

建設業は0.3万人の減少となり、9カ月ぶりに減少に転じた。建設業は昨年2月を25.6万人下回っている。

平均時給は0.06ドル増の29.96ドル。週平均労働時間は0.3時間増の35.0時間だった。

11月分が7.2万人下方修正されて26.4万人増、12月分は8.7万人下方修正されて22.7万人減となり、2カ月合計では15.9万人の下方修正となった。

1月失業率は6.3%、前月から0.4ポイント低下

1月の失業率は6.3%と前月から0.4ポイント低下した。市場予想は6.7%だった。失業者数は1010万人に減少した。失業率と失業者数は共に4月から大きく低下しているものの、2月の失業率3.5%、失業者数570万人を大きく上回っている。

失業率は、成人男子が6.0%、成人女子が6.0%、白人が5.7%、ヒスパニック系が8.6%にそれぞれ低下した。黒人は9.2%、アジア系は6.6%でほとんど変化はなかった。

一時解雇者は270万人に低下した。4月の1800万人から大きく減少しているものの、昨年2月を200万人上回っている。一方、通常の失業者は前月からほぼ変わらずの350万人となったが、2月を220万人上回った。

失業期間が5週未満の失業者数は230万人に減少。27週以上の長期失業者は400万人でほぼ変わらずとなり、全体の39.5%を占めた。

一方、1526週は30.3万人減の160万人だった。27週以上の長期失業者は400万人でほぼ変わらずとなったが、2月を280万人上回り、全体の37.1%を占めた。

労働参加率は横ばいの61.4%となり、2月を1.9ポイント下回った。雇用率もほぼ横ばいの57.5%となり、2月を3.6ポイント下回った。

フルタイムを希望しているが、見つからないなどの理由でパートタイムで働く経済的理由でのパートタイマーはほぼ変わらずの600万人となった。2月を160万人上回った。

求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口は前月から小幅に減少して700万人となり、2月を190万人上回った。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者は190万人に減少した。

新型コロナの影響で在宅勤務をしている就業者は全体の23.2%となり、前月から小幅に低下した。新型コロナの影響で職場が閉鎖となり、まったく仕事をしていないかごく限られた勤務に従事している人は1480万人で12月から110万人減少した。このうち12.7%には少なくとも給与の一部が支払われ、12月からほぼ横ばいとなった。

470万人が新型コロナの影響で職探しができない状態にあり、12月とほぼ変わらずとなった。こうした人たちは職探しをしていないことから失業者にはカウントされていない。

コロナ特需はく落が意識され、ハイテク株に売り

225日までの1週間の失業保険申請件数は73万件と前週の84.1万件から減少し、予想の83.8万件も下回った。ワクチンの普及で新型コロナウイルス感染者数が減少していることで、労働市場にも回復が波及しているもようだ。

31日時点でのGDPナウは1-3月期のGDPを前期比年率10.0%増と予想。226日時点のナウキャストは8.68%増と予想しており、いずれも高い数字が見込まれている。

米疾病対策センター(CDC)によると、33日時点で米国内に配布された新型コロナワクチンは1億本余りで、8000万本余りが接種された。

米食品医薬品局(FDA)は227日、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発する新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認した。米国での承認はファイザー・独ビオンテック連合、モデルナに続いて3例目となる。J&Jのワクチンは接種が1回のみで、冷蔵庫での保管が可能であり、特別な設備を必要としないため接種ペースの加速につながるとの期待されている。

3種類目のワクチンが承認されたことを受けて、バイデン大統領は米国の全成人へのワクチン普及が当初の7月末から5月末に2カ月間前倒しで達成できるとの見通しを示した。

米下院は227日、バイデイ氏が提案する19000億ドル規模の新型コロナウイルス対策法案を可決し、法案は上院へと送られた。昨年末に成立した追加対策での失業保険の上乗せが終了する314日までの成立を目指している。

ワクチンの普及と追加刺激策への期待から株価も高値を更新を続けてきたが、コロナ特需のはく落が意識され、最近ではハイテク株に売りが出ている。