10月の米雇用統計では、雇用者数の伸びが予想を上回り、労働市場が引き続き堅調であることを示した。失業率は50年ぶりの低水準となった前年から0.1ポイント上昇した。結果を受けて、12月FOMCでの追加利下げ見通しが低下。景気減速見通しも後退し、株価は大きく上昇した。
雇用者数は+12.8万人、増勢鈍化を継続
10月の米雇用統計では非農業部門の雇用者数が前月比+12.8万人と事前予想の+7.5万人を大幅に上回った。過去2カ月分は合計で9.5万人上方改定され、基調的な動きの目安とされる3カ月間の平均値は+17.6万人と、9月の+18.8万人、前年10月の+22.2万人から鈍化した。
人口の増加を吸収するのに必要な雇用の伸びは10万人程度と考えられていることから、増勢は鈍化しているものの、景気後退を回避するには十分な伸びを維持した。
製造業の低迷続く、GMストの影響の除くと底堅い
10月の財生産部門での雇用者数は-2.6万人と前月の+0.7万人から減少に転じた。製造業は-3.6万人と前月の-0.5万人に続いて、2カ月連続の減少となった。
ゼネラル・モーターズ(GM)が9月15日から約4.6万人のストに突入した影響で、自動車関連の雇用が-4.16万人となったことが響いた。GMストの影響を除くと、全体的に底堅い動きとなった。
米供給管理協会(ISM)が1日発表した10月の製造業総合景況指数は、3カ月連続で活動の縮小を示した。指数はやや持ち直しものの、依然として判断の分かれ目となる50を下回ったことから、製造業での活動が引き続き鈍化していることが示された。
10月の政府部門は-0.3万人、民間部門は増勢上向く
10月の政府部門の雇用者数は-0.3万人となり、9月の+1.3万人、8月の+5.6万人から減少に減じた。2020年の国勢調査に向けた臨時雇用の影響でやや振れが大きくなっており、臨時雇用者の増減は8月は+2.4万人、9月は+0.1万人、10月は-2.0万だった。
民間に限ると、10月の雇用者数は+13.1万人と、9月の+16.7万人、8月の+16.3万人から減少した。ただ、3カ月平均で見ると、10月は+15.4万人と、9月の+15.1万人、8月の+14.9万人を上回った。昨年10月は+21.3万人だった。
失業率は3.6%に上昇、労働参加率上昇で
10月の失業率は3.6%と前月の3.5%から0.1ポイント上昇した。9月は1969年12月の3.5%以来、50年ぶりの低い水準となっていた。
10月の家計調査では就業者数が+24.1万人、失業者数は+8.6万人、非労働力人口は-11.8万人となった。就業者数は大きく伸びたものの、失業者数も増えたことから、失業率は上昇した。また、職探しを諦めていた人などが、労働市場に再参入したことなどから労働参加率は63.3%と前月の63.2%から0.1ポイント上昇したことも影響した。
やむなくパートタイム職に就いている人や職探しを諦めた人も含む広義の失業率は7.0%と、9月の6.9%から上昇した。仕事を見つけづらくなっている可能性がある。
賃金の伸びはやや上向く、労働時間は横ばい
10月の平均時給の伸びや+0.2%と前月の横ばいから上向いた。前年同月比では+3.0%とことらも9月の+2.9%から小幅に加速した。
週平均労働時間は34.4時間と前月と同じだった。
利下げ確率が低下、年内見送りの公算大
10月雇用統計の結果を受けて、12月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げムードは一段と後退した。
CMEグループによると、11月1日時点での12月FOMCでの0.25%ポイントの利下げ確率は11.8%と雇用統計発表前日の22.1%から大きく低下した。約1カ前の10月3日には52.3%が11月利下げ後の追加利下げを見込んでいた。
