IBM、7-9月期は減収減益 レッドハット買収でも減収止められず

IBMの7-9月期決算は減収減益。減収は5四半期連続となり、予想にも届かなかった。レッドハットの買収はおおむね期待通りの結果となったが、従来からの中核事業の落ち込みを補うには至らなかった。クラウド部門は好調を維持しているものの、来年はIT投資の減速が予想されていることから、我慢の1年となりそうだ。

7-9月期は38%減益、減収は5四半期連続 買収不発で収入は予想下回る

米IBMが10月16日発表した7-9月期決算は、減収減益となった。減収は5四半期連続となった。

純利益は前年同期比38%減の16億7000万ドル(前年同期は26億9000万ドル)、1株利益は1.87ドル(同2.94ドル)。

調整後1株利益は2.68ドル(同3.42ドル)と、ファクトセットがまとめた市場予想の2.66ドルをわずかに上回った。

売上高は4%減の180億3000万ドル(187億6000万ドル)と、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の182億2000万ドルに届かなかった。

為替変動や事業売却の影響を除いたベースでは0.6%の減収となった。

IBMは7月、創業108年の同社史上最大の合併・買収(M&A)となる340億でレッドハットの買収を完了し、当期から連結された。レッドハットの7-9月期の調整後売上高は3億7100万ドルと、IBMが8月の投資家説明会で示した見通し(約3億5000万ドル)を上回ったが、全社的な成長をけん引するには至らなかった。

ハードウエア事業からクラウドサービス事業へのシフトを進めており、ジニ・ロメッティ最高経営責任者(CEO)が経営立て直しの中核に据えるクラウド事業の売上高は11%増の50億ドルとなった。

レッドハットが加わったクラウド・認知ソフトウエア部門の売上高は6.4%増の52億8000万ドルだった。

サポートサービスを担う最大の事業部門、グローバル・テクノロジー・サービス事業の売上高は5.6%減の67億ドルだった。

決算受けて株価急落、来年は我慢の年との見方も

レッドハットの買収が業績改善につながるのではないかと期待しされていたが、結果はアナリストの予想を下回る減収となった。16日に引け後に発表された決算を受けて、17日の株価は前日比5.1%下落した。

ただ、レッドハットとクラウドサービスは堅調さ示したことで、売り一巡後は下げも一服し、10月25日現在の年初来騰落率は23.3%上昇と高い伸びを維持している。

とはいえ、中長期的な見通しでは楽観視は許されないようだ。IT投資の伸びが今後1年間に鈍化することを示唆するデータが相次いで発表されており、例えば、ゴールドマン・サックスの9月のハイテク投資調査報告書によると、6月の調査に比べて大企業の需要動向があらゆる業種で「顕著に悪化している」という。

また、モルガン・スタンレーの第3四半期の最高情報責任者(CIO)調査によると、2019年のIT投資の伸びは4.4%となり、前年の4.9%から鈍化すると予想されている。2020年はさらに鈍化して3.4%となることが見込まれている。

堅調な拡大が続くクラウド事業と全般的な弱含みが予想されるIT投資との綱引きとなりそうで、我慢の1年となりそうだ。

ここ5年でみると、長期的に株価が低迷しており、低迷を反映してIBMの配当利回りは4.78%とハイテク配当銘柄の中ではかなり高い水準にある。PERは15.7倍とハイテク銘柄の中でのバリュエーションは割安な水準にある。高配当、バリュー銘柄として一部の投資家からは人気が集まるとみる向きもあり、株価の下支えとなる可能性もありそうだ。