世界経済の減速に伴って米経済も失速するとの見方が強まっていることから、市場関係者の間では年内利下げ観測が高まっている。
年内利下げは67%、7月FOMCを有力視
CNBCがまとめた6月FOMCでのフェドサーベイによると、2019年の金融政策見通しは67%が利下げを予想した。22%が据え置き、11%が利上げをそれぞれ予想し、年内の利下げ回数は平均で1回となっている。
5月の米雇用統計で、雇用者数の伸びが大幅に鈍化したほか、賃金上昇率も予想を下回ったことで、市場の利下げに対する期待か膨らんだ。
CMEのフォドウォッチによると、6月FOMCでの利下げ確率は24%となっている。一部では利下げが期待されてはいるものの、コンセンサスとなるには至っていない。7月FOMCでの利下げ確率は84%となっており、市場は来月のFOMCでの利下げを見込んでいる。
単月での振れが大きき雇用統計ではあるが、2カ月連続で低調な経済活動が示唆されるようだと、利下げへの期待も一段と膨らむことになりそうで、6月分の雇用統計は最後のピースとしてカギを握る可能性がある。
外部要因を見極めへ
1-3月期の米GDP成長率は前期比年率3.1%増と比較的高い伸びを示している。アトランタ連銀のGDPナウは4-6月のGDP成長率を2.0%と予想しており、1-3月期からは減速するものの、おおむね潜在成長率と一致する。
米失業率は半世紀ぶりの低水準にあり、労働市場もトレンドの弱さが確認されたとは言い難い状況だ。
米経済にまったく問題がないわけではないが、総じてみれば米国経済そのものへの懸念はそれほど大きいわけではなく、問題は米国以外にある。
米中貿易摩擦の激化を受けた中国経済の失速、中東での地政学的リスクの高まり、ブレグジットを巡る混乱と低調な欧州経済などが挙げられる。
中国やイランを巡る懸念は米国も当事者ではあるが、米経済の先行きを判断する上で、当面は米国以外の状況の見極めが肝要となりそうだ。
今回のフェドサーベイでは、2019年のGDP成長率は2.2%、インフレ率は1.9%、失業率は3.7%と予想された。
2019年末のS&P500は2881と足もとの2889をやや下回る水準が見込まれたが、2020年末は2952とやや持ち直すと予想された。
2019年末の10年債利回りは2.35%、20年末は2.59%と予想。足もとの2.04%から緩やかな上昇が見込まれた。ただ、1月時点の3.03%、3.17%との予想に比べると大きく低下している。
