【4月米雇用統計】雇用・賃金ともに予想に届かず、過熱感の後退で株価は急騰

4月の米雇用統計では雇用者数、賃金ともに予想に届きませんでしたが、マーケットでは利上げ見通しの後退で株価が急上昇となりました。

雇用者数は予想に届かずも高水準を維持、天候要因も影響か

4月の米雇用統計では雇用者数は+16.4万人と事前予想の+19.2万人に届きませんでした。ただ、前月分が+10.3万人から+13.5万人へと上方修正されたほか、過去3カ月の平均も+20.8万人と高い水準を維持していますので、雇用情勢が底堅いとの見方に変化はなさそうです。

また、4月は悪天候により仕事に行けなかった人が13.3万人おり、4月の過去平均の7.6万人を大きく上回っています。予想に届かなかった背景として悪天候がある公算も小さくはなさそうですので、4月の結果に対する失望感はあまりうかがえないようです。

失業率が急低下、労働参加率も低下しており内容はよくない

4月の失業率は3.9%と前月の4.1%から低下し、予想の4.0%も下回りました。2000年12月以来、7年半ぶりの低水準となっています。失業率は昨年10月から今年3月まで4.1%と下げ止まっていましたが、6カ月ぶりの低下となりました。

ただし、労働参加率は62.8%と前月から0.1ポイント低下、低下は2カ月連続となっています。就業者数の増加はわずかに0.3万人で失業者は-23.9万人と大幅に減少していますが、非労働力人口が+41.0万人と急増しており、失業者が仕事を探しをあきらめたことをうかがわせています。

失業者が仕事に就くことによって失業率が低下しているわけではありませんので、内容的にはあまり評価できない低下といえそうです。

賃金の伸び悩みで利上げ見通しが後退、株高を支援

4月の平均時給の伸びは前月比+0.1%、前年同月比+2.6%となり、予想の+0.2%、+2.7%に届きませんでした。前月分も前月比+0.2%、前同月比+2.6%に下方修正されており、期待はずれの結果となっています。

平均時給は1月に+2.8%まで上昇後、2月からは3カ月連続で+2.6%にとどまっており、賃金が伸び悩んでいることをうかがわせています。

一般に失業率が低下することで賃金に上昇圧力が働くと考えられていますが、今回の失業率の低下では就業者がほとんど増えておらず、賃金の伸びにも加速感がありませんので、インフレ懸念はむしろ後退した模様です。

年内の利上げ回数に関しては、あと2回から3回かで市場も見方が拮抗していますが、今回の雇用統計の結果を受けてあと2回との見方が強まったようです。

インフレ懸念と利上げ見通しが後退したことを受けて、適温経済がまだしばらくは続くとの楽観的な見方が広まり、株価が急上昇となっています。