【1月FOMC結果】物価は2%目標を達成へ、タカ派にシフト

1月のFOMCでは政策金利は据え置きとなりましたが、声明文がタカ派にシフトしたことから、3月FOMCでの追加利上げがより現実味を帯び、年内4回の利上げを指摘する声も増えています。最近の経済指標で物価の上昇が確認されたことで、FRBも2%の物価目標の達成に手ごたえを感じているようです。

物価目標の達成に手ごたえ、上向きの物価指標で

声明文ではいくつかの点が修正されましたが、最も注目を集めたのはインフレ見通しについての言及です。前回までの「このところ2%を下回っている」との文言が削除され、「年内に2%に達する」との内容が追加されており、インフレ率は近い将来に目標となる2%になることに自信を見せています。

12月下旬に減税法案が成立したこともあり、減税による景気の押し上げでインフレ率も上昇するとの見方が強まっています。実際、期待インフレ率の代理変数として注目されている5年先5年物期待インフレ率は1月29日現在で2.29%と2%を大きく上回る水準まで上昇しており、2014年11月以来3年2カ月ぶりの高水準となっています。

また、10-12月期のPCE物価指数も前期比年率で+2.8%と前期の+1.5%から大幅に伸び、瞬間風速ではFRBが目標とする2.0%を大きく上回っています。基調的な物価動向を示すエネルギーと食品を除いたコアPCEも+1.9%と前期の+1.3%から伸びが加速しています。

同様に、10-12月期の雇用コスト指数も前期比0.6%上昇、前年同期比では2.6%上昇し、2015年1-3月期以来の大きな伸びとなっています。労働市場のひっ迫が賃金の上昇につながっている可能性を示唆しており、物価上昇を後押しすることが期待されます。

米経済は潜在成長率を上回るペースでの成長が続く見通しで、ドル安やエネルギー価格の上昇も追い風となり、2018年のインフレ見通しが強まっています。FRBはこれまで、2017年前半に見られた物価の弱含みは“謎”と述べ、対応に苦慮してきた経緯がありますが、物価上昇の足音が経済指標からも確認されていることで物価目標の達成に手ごたえを感じているようです。

金利上昇で景気にブレーキ?

インフレ見通しの上昇に伴って、米長期金利も上昇してします。米10年債利回りは1月31日現在で2.7%台を推移しており、2014年4月以来の高水準となっています。

12月FOMCでの経済見通しでは2018年中の利上げは3回が見込まれていましたが、今回の声明文がタカ派となったことで、ウォール街では4回の利上げを主張する声が増えています。

ただし、インフレの加速とそれに伴う利上げペースの上昇が景気を失速させることが懸念されています。FOMC前に実施されたフェドサーベイでも保護貿易とともに金融の引き締めが米経済への脅威として警戒されていました。

FRBは、低インフレへの警戒から緩やかな利上げペースを維持してきましたが、インフレ加速の兆しが広範にみられるようになっていますので、政策転換の可能性も否めません。金融政策の舵取りを左右する物価動向には、これまで以上に繊細な注意が必要となりそうです。

尚、イエレン議長は2月3日に退任し、パウエル理事が新議長として2月5日の宣誓式に望む予定です。