7-9月期米家計債務は引き続き増大、自動車ローンに危うさ

米家計債務残高が3四半期連続で過去最大を更新し、増加基調を継続しています。全般的なローンの遅延率は低く、問題が表面化しているわけではありませんが、クレジットカードや自動車ローンで遅延率が上昇しており、雲行きは怪しくなっています。

米家計債務は13四半期連続で増加、住宅以外がけん引

7-9月期の米家計債務残高は前期比1160億ドル増加の12兆9600億ドルとなりました。増加は13四半期連続の増加となり、前回のピークとなる2008年7-9月期の12.68兆ドルを2800億ドル上回っています。また、直近のボトムとなる2013年4-6月期と比べると16.2%増加しています。

債務に占める割合が最も大きい住宅ローンは前期比520億ドル増の8.74兆ドル。ホーム・エクイティ・ローン(住宅を担保とした与信)は40億ドル減の4480億ドルとなっています。

家計債務増加をけん引しているのは住宅関連以外のローンとなり、自動車ローンが230億ドル、クレジットカードが240億ドル、学資ローンが130億ドルそれぞれ増加し、ここ6年間は住宅関連以外の債務残高が大きく伸びています。

自動車を中心にローン遅延率が上昇中

7-9月期のローン遅延率は4.9%と前期から0.1ポイント上昇しました。遅延残高は6300億ドルで、そのうち4080億ドルが90日以上の深刻な遅延となってます。

住宅関連ローン残高は前期比4790億ドル増加しましたが、90日以上の深刻な遅延は1.4%と改善を継続しています。また、7-9月期の差し押さえ件数は7万件となり、過去最低を更新していますので、住宅市場は健全といえそうです。

ただし、住宅以外のローンは不安を抱えています。

学資ローンの残高は1.36兆ドルとなりますが、このうち90日以上の深刻な遅延率は11.2%と非常に高い水準にあります。ここ数年は高値圏で一進一退の動きが続いており、悪化はしていませんが改善も見られない状況となっています。

クレジットカードのローン残高は前期比240億ドル増の8080億ドルとなり、このうち90日以上の深刻な遅延率は7.5%となっています。前年同期の7.1%から0.4ポイント上昇しており、過去1年で大きく上昇しています。

自動車ローンの残高は前期比230億ドル増の1.21兆ドルとなり、そのうち90日以上の深刻な遅延は4.0%で前期からわずかに上昇しています。遅延率の水準は低いのですが、2012年から緩やかな上昇が続いています。自動車ローン残高が26四半期連続で増加する中、ローン遅延率は5四半期連続で上昇しています。

自動車ローンでは信用の低いサブプライム層での遅延率が顕著に上昇していますが、その中でもノンバンクと銀行・信用組合で明暗が分かれています。

ノンバンクのサブプライムに限ると深刻な遅延率は9.7%と金融危機後に匹敵する水準となっています。その一方で、銀行・信用組合では4%にとどまっており、同じサブプライム層にもかかわらず、遅延率に大きな差が出ています。

ノンバンクに偏っていることから、金融機関全体への悪影響は軽微ではないかと見られていますが、自動車ローン市場に歪みが生じていることは明らかですので、今後の行方には警戒感をもって見守る必要があるのかもしれません。

消費者のローン需要の先行指標とされる、クレジットの問い合わせ件数が増加しており、消費者の借り入れ需要はまだ強いことを匂わせています。米国では家計の債務残高が過去最大を更新し、家計の借り入れに対する依存度が高まる中、ローン遅延率がひたひたと上昇しており、個人消費の先行きには暗雲が垂れ込めているといえそうです。