【6月米雇用統計】雇用者数は20.9万人増、失業率は3.6%に改善

6月の雇用統計では雇用者数が前月比20.9万人増となり、市場予想を下回った。一方、失業率は前月から0.1ポイント低下の3.6%に改善し、市場予想と一致した。雇用者数は市場予想をわずかに下回ったものの、賃金の伸びが市場予想を上回るなど、労働市場の堅調さが改めて示され、次回7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ再開を後押しする内容となった。

雇用者数、6月は0.9万人増 市場予想をやや下回る

米労働省が発表した6月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月比20.6万人増加し、24万人程度を見込んでいた市場予想をやや下回った。6月までの過去6カ月間は月平均で27.8万人増となり、22年の月平均(39.9万人増)を下回っている。

業種別では、政府部門、ヘルスケア、ソーシャル・アシスタント、建設などで主に増加した。

政府部門は6.0万人増。州政府(2.7万人増)や地方自治体(3.2万人増)で伸びた。2023年は6月までの月平均で6.3万人増と、22年の月平均(2.3万人増)に比べ、2倍以上の伸びとなっている。ただし、政府部門の雇用者数は、コロナ禍前の20202月の水準を16.1万人(0.7%)下回っている。

ヘルスケアは4.1万人増。病院(1.5万人増)、介護施設(1.2万人増)ヘルスケア・サービス(0.9万人増)などが好調だった。一方、歯科医院は0.7万人減だった。ヘルスケアは6月まで月平均で4.2万人増と、22年の月平均(4.6万人増)とほぼ同じ水準を維持している。

ソーシャル・アシスタントは2.4万人増。個人・家族サービス(1.8万人増)が大半を占めた。ソーシャル・アシスタントは6月までの月平均が2.2万人増と、23年の月平均(1.9万人増)とほぼ同じ水準で推移している。

建設業は2.3万人増。住宅専門工事業が1.0万人増と好調だった。建設業は6月までの月平均が1.5万人増と、22年の月平均(2.2万人増)を下回っている。

平均時給は前月比0.12ドル(0.4%)増の33.58ドルだった。前年同月比では4.4%の増加となった。週平均労働時間は34.4時間で前月から0.1時間増加した。

4月分が7.7万人下方修正されて21.7万人増に、5月分は3.3万人下方修正されて30.6万人増となり、2カ月合計では11.0万人の下方修正となった。

6月失業率は3.6%、前月から0.1ポイント改善 予想と一致

5月の失業率は3.6%と前月から0.1ポイント低下し、市場予想と一致した。失業率は昨年3月以降、3.43.7%の狭いレンジ内での推移が続いている。失業者数は600万人で前月からほぼ変わらずだった。

グループ別の失業率は、白人が3.1%に低下した。成人男子(3.4%)、成人女子(3.1%)ティーンエイジャー(11.0%)、と黒人(6.0%)、アジア系(3.2%)、ヒスパニック系(4.3%)では、いずれのカテゴリーも前月から大きな変化はなかった。

失業期間が27週以上の長期失業者数は110万人で、前月からほぼ横ばいだった。長期失業者は全体の18.5%を占めている。

労働参加率は62.6%、雇用率は60.3%で、いずれも前月からおおむね変わらずとなった。

フルタイムを希望しているが、見つからないなど経済的理由でのパートタイマーは420万人で前月から45.2万人増加した。ビジネス環境の悪化で労働時間を削減された労働者が増加したことが影響した。

求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口は前月比ほぼ変わらずの540万人だった。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者は140万人で、前月からおおむね横ばいだった。

堅調な雇用情勢受け7FOMCで利上げ再開、年内に追加利上げも

6月雇用統計では、おおむね堅調な雇用の拡大が確認されたほか、失業率も改善した。また、賃金の伸び率は前年同月比4.4%と前月の4.3%から小幅に上昇し、4.2%への鈍化を見込んでいた市場予想に反して伸びを加速した。

堅調な雇用情勢を受けて、72526日に開かれたFOMCでは2会合ぶりに利上げを再開した。インフレ圧力は低下しているものの、米連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2.0%にはまだ距離があり、金融政策は雇用と物価をにらみながらの舵取りが続いている。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが発表しているフェデラル・ファンドレート(FFレート)先物市場が織り込む金利変更確度を示す「フェドウォッチ」によると、83日現在で次回923日会合での金利据え置き確率は、82.5%、111日会合での据え置き確率は67.0%となっており、年内追加利上げとの見方も残されているもようだ。