10月の雇用統計では雇用者数が63.8万人増加し、失業率は6.9%に低下した。雇用者数の伸びは市場予想を上回った。雇用の増加と失業率の低下が続いており、ワクチンへの期待も手伝って株価の好調だ。一方、失業保険の申請件数が予想外に増加しているほか、コロナへの感染者数も拡大が続いている。
雇用者数、10月は63.8万人増 水準は2月を1010万人下回る
10月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は前月比63.8万人増となり、市場予想の53万人増を上回ったものの、9月の67.2万人増から伸びが鈍化し、依然として2月の水準を6.6%、1010万人下回っている。ただし、民間部門では90.6万人増と前月の89.2万増を小幅ながらも上回った。政府部門は26.8万人減と前月の22万人減から下げ幅を拡大した。
業種別では、娯楽・接客業が27.1万人増と大きく伸びた。このうち、19.2万人が飲食業だった。娯楽・接客業は4月以降に480万人増加しているものの、2月を350万人下回っている。
専門・ビジネスサービス業は20.8万人増となり、このうち派遣サービスが10.9万人増とほぼ半数を占めた。専門・ビジネスサービスでの雇用者数は2月を110万人下回っている。
小売業は10.4万人増となり、このうちコンピュータ・家電店が3.1万人と約3分の1を占めた。自動車・部品も2.3万人増えた。小売業での雇用者数は4月以降に190万人増加したものの、2月を49.9万人下回っている。
ヘルスケアは7.9万人増加したが、2月を95万人下回った。
政府部門は26.8万人の減少となった。連邦政府は13.8万減となり、国勢調査による臨時雇用で14.7万人減少したことが影響した。地方自治体と州政府の教育部門で9.8万人と6.1万人、それぞれ減少した。
平均時給は0.04ドル増の29.50ドル。ここ数カ月の平均時給は低賃金労働者の雇用増減の影響を大きく受けており、数字の解釈を難しくしている。
週平均労働時間は前月から変わらずの34.8時間だった。
8月分が0.4万人上方修正されて149.3万人増、9月分は1.1万人上方修正されて67.2万人増となり、2カ月合計で1.5万人の下方修正となった。
10月失業率は6.9%、前月から1.0ポイント低下
10月の失業率は6.9%と前月から1.0%ポイント低下した。市場予想は7.7%だった。失業者数は150万人減の1110万人となった。失業者数は10月までの6カ月間で減少したものの、2月と比べるとまだ2倍近い数字となっている。2月の失業者率は3.5%、失業者数は580万人だった。
失業率は、成人男子が6.7%、成人女子が6.5%、白人は6.0%、黒人は10.8%、アジア系は7.6%、ヒスパニック系は8.8%にそれぞれ低下した。
一時解雇者は140万人減の320万人となり、4月の1810万人から大きく減少したが、2月を240万人上回っている。一方、通常の失業者は前月からほぼ変わらずの370万人で、2月からは240万人増加した。
失業期間が27週以上の長期失業者は120万人増の360万人となり、全体の32.5%を占めた。一方、15~26週は230万人減と260万人だった。5~14週は45.7万人減の230万人、5週未満はほぼ変わらずの250万人。
労働参加率は0.3ポイント上昇の61.7%となり、2月を1.7ポイント下回った。雇用率は0.8ポイント上昇の57.4%となり、2月を3.7ポイント下回った。
フルタイムを希望しているが、見つからないなどの理由でパートタイムで働く経済的理由でのパートタイマーは38.3万人増の670万人となった。増加は6カ月ぶりのこと。
求職活動をしていないことから、労働人口にも失業者にもカウントされない非労働人口は前月から53.9万人減の670万人となり、2月を170万人上回った。このうち、過去12カ月以内に求職活動をしていたが、最近4週間では活動をしていない周縁労働者は200万人で、前月からほぼ変わらずとなった。
新型コロナの影響で在宅勤務をしている就業者は全体の21.2%で9月の22.7%から低下した。8月は24.3%だった。新型コロナの影響で職場が閉鎖となり、まったく仕事をしていないかごく限られた勤務に従事している人は1510万人で9月の1940万人から減少した。8月は2420万人だった。このうち11.7%には少なくとも給与の一部が支払われた。9月は10.3%だった。
約360万人が新型コロナの影響で職探しができないでいる。9月の約450万人、8月の520万人から減少したが、こうした人たちは職探しをしていないことから失業者にはカウントされていない。
失業保険申請は高止まり、ワクチン期待で株価上昇
11月21日までの1週間の失業保険申請件数は77.8万件と前週の74.8万件から予想外の増加となった。増加は2週連続となり。市場予想では73万件への減少が見込まれていた。
11月14日までの週の失業保険受給者数は607.1万件で前週の637万件から減少した。
11月7日の週に何らかの失業保険を受けた人は2045万人で、前週から13.5万人増加した。
11月25日現在のGDPナウは10-12月期のGDPを前期比年率11.0%増と予想。27日現在のナウキャストでは2.82%増が見込まれている。
これまでに、米製薬大手ファイザーや米バイオ製薬のモデルナが開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、米食品医薬品局(FDA)に緊急使用許可を申請しており、年内に供給が開始される見通しとなっている。
ワクチンへの期待を背景に、ダウ平均が初めて3万ドルを突破するなど、11月の米株式市場は大幅高となった。とはいえ、米国や欧州ではコロナ感染の再拡大で、行動制限が再導入されるなど、世界的にはまだコロナの流行は続いており、景気の下振れリスクは払しょくされていない。
