テスラの7-9月決算は減収減益となった。ただ、赤字の継続が予想されていたことから、黒字転換がサプライズとなり、株価は急騰した。生産見通しの前倒しなどから、業績改善に対する期待も高まっている一方で、長期的な成長に対する警戒感も引き続き残されている。
7-9月は減収減益も予想外の黒字転換
テスラの7-9月期決算は減収減益だった。7年ぶりの減収となったが、アナリストの赤字予想を覆して黒字転換を果たしたことから、決算を受けて株価は急騰した。
純利益は前年同期比54%減の1億4300万ドル(前年同期は3億1100万ドル)。1株利益は0.78ドル(同1.75ドル)、調整後1株損益は1.86ドル(同2.90ドル)の黒字だった。、ファクトセットがまとめたアナリスト予想は0.46ドルの赤字で、予想外の黒字となった。テスラは4-6月期まで2四半期連続で赤字だった。
自動車事業の売上高総利益率は22.8%と4-6月期(18.9%)から上昇したことが、黒字転換につながった。
売上高は7.6%減の63億ドルで、市場予想の64億ドルを下回った。売上高の減少は2012年7-9月期以来、7年ぶり。
世界の販売台数は9万7186台と16%増えた。ただ、価格帯の低い「モデル3」の販売比率が増えたことが売上高の減少につながった。モデル3の販売台数は42%増加したが、高級車の「モデルS」「モデルX」は37%減少した。
テスラは、12月期通期の予想販売台数は「36万台以上」となると自信を示した。従来見通しは36万~40万台だった。
生産・納期見通しを前倒し、株価が急騰を後押し
テスラの株価は、1-3月期に過去最大級の赤字に転落したことを受けて、今年5月には180ドル台まで下落していたが、7-9月期に予想外の黒字転換となったことを受けて急回復し、11月8日現在は330ドル台となっている。5月の安値からは82%上昇となり、時価総額は608億ドルと、GMの553億ドルを再び抜き去り、自動車メーカーで全米首位に踊り出た。
新型モデルの計画が予定よりも早く進んでいると発表したことも株価を後押しした。部品の多くがモデル3と共通しているモデルYの生産・納入は、当初予定されていた来年の秋ではなく夏に始まるとし、生産・納車時期が数カ月早まる見通しを示した。モデルYの販売台数はモデルS、モデルX、モデル3を合わせた台数を上回る可能性もあるとの見通しも示した。加えて、新型電気自動車(EV)ピックアップトラックは11月に公表される可能性があるとした。
また、今年上海で建設を開始した新工場でモデル3の試験生産を開始したことも明らかにした。中国で同モデルを生産できれば関税がかからないため、価格を引き下げられる。
売上高減少で長期的な成長への懸念は払しょくされず
ただ、売上高が伸び悩んだことから、成長に対する疑念の声は残っている。売上高は63億ドルと、前年同期の68億ドル、前期の64億ドルをともに下回った。昨年10-12月期の売上高は72億ドルだったことから、10-12月期の売上高も厳しい結果となりそうだ。
7-9月期の黒字転換は売上高の増加ではなく、設備投資の減少が寄与していることもあり、長期的な事業の成長に対する懸念は払しょくできていないようだ。
