4月の米雇用統計では低調に終わった3月から雇用者数の回復が期待されており、2カ月連続での低迷が警戒されています。また、インフレ圧力が強まっており、賃金の高い伸びに対する警戒感も強まっているようです。
雇用の下振れを警戒、失業率や労働参加率にも注目
4月の米雇用統計では雇用者数は+19.5万人と予想されています。類似統計である4月のADPは+20.4万人と20万人台を確保していますので、雇用統計でも予想に近い数字が期待できそうです。
3月はわずかに+10.3万人と期待はずれの数字となりましたが、2月が+32.6万人だったことから、一時的な反動減として深刻には受け止められませんでした。ただし、2カ月連続で低迷した場合には見方が変わる可能性もありますので、下振れリスクは意識されているようです。
3月までの3カ月平均は+20.2万人、2017年は+18.2万人となっており、このあたりの数字に踏みとどまれれば問題なしとなりそうです。
4月の失業率は4.0%と3月の4.1%から0.1ポイントの低下が見込まれています。失業率が前年同月を上回ることは景気後退サインの一つとみられていますが、昨年4月は4.4%ですのでまだ余裕があります。
ただ、失業率は昨年10月以降、4.1%での横ばいが続いており、下げ止まりの兆しがうかがえます。FRBは年末までに3.8%への低下を見込んでいますが、予想に反して上昇に転じるようですと年末にかけは前年を上回ることになり、警戒が必要となるかもしれません。
また、3月の労働参加率は62.9%と2月の63.0%から低下しています。失業者と就業者がともに減少した一方で、非労働力人口が大幅に増加したからです。これは仕事探しをあきらめた人の増加を示唆しており、あまりよい兆しではありません。失業率の動きとともに、労働参加率の動きにも注目です。
賃金伸びは上振れを懸念、パート増加への警戒も
4月の平均時給の伸びは+2.7%と3月から横ばいが見込まれています。この1年でみると賃金の伸びは上向いていますが、ここ最近は伸び悩んでいます。
賃金の伸びが低調な場合、労働市場にはまだ余剰があることを示唆していおり、雇用の拡大と失業率の低下が続くことが見込まれます。
一方、賃金の伸びが高まると労働市場がひっ迫していることを示唆しており、雇用の拡大や失業率低下の余地が少ないことをうかがわせています。
3月のPCE価格指数は+2.0%となり、FRBの目標に到達しています。インフレ圧力が強まる中、賃金の高い伸びが確認されれば、利上げペースが加速する恐れがあります。
賃金の伸びが予想を上回るようですと、金利上昇へ懸念が強まることになりそうです。
ところで、3月の雇用統計ではフルタイムの就業者が減って、パートが増えています。また、2月の雇用動態調査では求人数と採用数がともに減少しており、企業が求める人材を確保しづらくなっていることを匂わせています。
雇用の増加がパートに限られる状況が続くようですと、景気の先行きにも暗い影を落とすことになりそうです。
