1-3月期米GDPは予想を上回るも個人消費が急減速、インフレ圧力も上昇

米GDP成長率が事前予想を上回ったことから市場には安心感が広がりました。ただし、個人消費が急減速したことは懸念材料となっており、減速が一時的かどうかの確認待ちとなっています。また、インフレ圧力が強まっていることから利上げペース加速への警戒感も強まっているようです。

GDPは予想を上回るも個人消費の急減速に警戒感

米1-3月期のGDP成長率は前期比年率+2.3%と10-12月期の+2.9%からは減速しましたが、事前予想の+2.0は上回りました。

米潜在成長率は2%弱と推計されていますので、この数字のみで判断すれば悪い数字ではありませんが、減税や財政支出の拡大により3%成長を目指しているトランプ政権にとっては物足りない数字といえそうです。

個別項目では、個人消費支出が+1.1%と前期の+4.0%から急減速となったことが警戒されています。ただし、個人消費の失速に関しては税制改革の影響で税還付が遅れたことが影響したとの指摘もあり、低迷は一時的との見方が優勢です。

ただし、減税の影響は10-12月期の高い伸びに繁栄されており、1-3月期の低迷はその反動との見方もあります。この見方に従うと、今後に関してはそれほど高い伸びは期待しづらいのかもしれません。

GDPから政府や在庫、貿易の影響を取り除いた民間最終消費は+1.7%と前期の+4.8%から大幅に低下しています。国内の経済活動を総合的に判断する指標として一般にはGDPがしられていますが、民間最終消費はより実態に近いとしてエコノミストらが重視しています。

GDPを押し上げたには純輸出と在庫です。個人消費の低迷で輸入の伸びが大きく鈍化し、純輸出の寄与度が+0.20と前期の-1.16から大幅に改善したことが全体を押し上げました。また、在庫投資の寄与度が+0.43と前期の-0.53からプラス転換したこともGDPを押し上げています。設備投資は+6.1%と前期の+6.8に続いて堅調を維持しています。

インフレ圧力が強まり利上げペース加速にも警戒感

GDPデフレータは+2.0%と前期の+2.3%と比べ緩やかな伸びとなりました。実質GDPの低下に加え、インフレの伸びも鈍化したことから、より生活感覚に近いとされる名目GDPは+4.3%と前期の5.3%から低下しています。

ただし、FRBが物価安定の目標としているPCE価格指数は+2.7%と前期の+2.7%に続いて高い伸びを記録しています。食品とエネルギーを除くコアPCE価格指数も+2.5%と2007年10-12月期以来、ほぼ11年ぶりの高い伸びとなりました。コア指数はより基調的な物価の動きを示していますが、昨年4-6月期が+0.9%、7-9月期が+1.3%、10-12月期が+1.9%となっており、急速に上昇しています。

また、1-3月期の雇用コスト指数も前期比+0.8%、前年比+2.7%となり、賃金の伸びも11年ぶりの高さに加速しています。

物価と賃金の上昇圧力がともに強まっていることで、FRBが年内にあと3回利上げを実施するとの見方も広まっています。

ただし、利上げは企業収益の悪化や景気の減速を招く恐れがあることから、株式市場では利上げペースの加速への警戒感を強めているようです。