米家計債務残高が過去最大を更新、カード遅延率上昇が消費を抑制も

2017年10-12月期の米家計の債務残高が過去最大を更新し、金融危機時のピークを上回っています。債務膨張にともなって、自動車ローンやカードローンでの遅延率が上昇しており、個人消費の先行きに暗い影を落としています。

米家計債務が過去最大更新、新規は伸び悩む

2017年12月末の米家計の債務残高は13.15.兆ドルと9月末から1930億ドル増加しました。増加は14四半期連続で、前回のピーク2008年7-9月期の12.68兆ドルを4730億ドル上回り、過去最大を4四半期連続で更新しました。ボトムとなった2013年4-6月期からは17.9%増加しています。

項目別にみると、住宅関連では12月末の住宅ローンが8.88兆ドルと前期から1390増加と最も大きく増えています。ただ、ホームエクイティは4440億ドルと前期から40億ドル減少しています。

住宅以外の債務は前期比580億ドル増加となり、6年連続で増え続けています。自動車ローンが80億ドル、クレジットカードが260億ドル、学生ローンが210億ドル、それぞれ増加しています。

ただ、新規での借り入れは伸び悩みとなりました。借り換えを含む新規の住宅ローンは4520億ドルと前期の4790億ドルから減少、新規自動車ローンも1370億ドルと前期からわずかに減少しています。ただ、2017年通年での自動車ローンは過去最大となっています。また、クレジットカードは20四半期連続で拡大しています。

住宅ローンのクレジットスコアの中央値は755と前期の760から低下しましたが、自動車ローンは707と705から上昇しています。

12月末現在のローン遅延率は全体で4.7%とやや改善しています。遅延額は6190億ドルでそのうち4060億ドルが深刻な遅延(90日以上の遅延)となっています。深刻な遅延は2012年以降、緩やかな増加傾向にありますが、昨年はやや大きく増加しています。

深刻な遅延率は全体では3.12%と前期の3.19%から若干低下しています。これは、住宅ローンで13.8%から1.27%へ、学資ローンで11.17%から10.96%へとそれぞれ低下したことが影響しています。

ただし、自動車ローンは3.97%から4.05%へ、クレジットカードでは7.47%から7.55%へとそれぞれ深刻な遅延率が上昇しており、楽観視できる状況にはないようです。

家計債務の項目別の内訳は、住宅ローン68%、エクイティローン3%、自動車ローン9%、クレジットカード6%、学費ローン10%、その他3%となっています。

カードローンや自動車ローンの遅延率上昇が個人消費を抑制か

信用の拡大は景気拡大の原動力であり、好景気の裏返しでもあるわけですが、家計の債務残高が過去最大を更新する中、クレジットカードや自動車ローンでの遅延率が上昇していることで、個人消費の先行きに対する不安が広がっているようです。

米自動車市場では、2017年の新車販売台数が前年比1.8%減と8年ぶりの減少となったほか、2月に入っても前年同月比2.4%と苦戦が続いていており、自動車ローンの遅延率上昇が響いているようです。

また、1月の実質個人消費は前月比0.1%減と1年ぶりにマイナスとなっています。1月は減税効果もあり、所得が大きく伸びましたが、貯蓄率が12月の2.5%から3.2%へと急上昇となり、所得の伸びが貯蓄に回っています。

インフレ圧力が高まっていることもありますが、クレジットカードの遅延率も上昇していていることから、債務の返済が家計を圧迫し、消費を抑制している様子も見え隠れしています。